研究課題/領域番号 |
08671137
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石橋 俊 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (90212919)
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研究分担者 |
大須賀 淳一 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
原田 賢治 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
山田 信博 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (40200729)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | リポタンパク代謝、 / 動脈硬化、 / ノックアウトマウス、 / LDLレセプター、 / リポタンパクリパーゼ、 / トリグリセリド、 / カイロミクロンレムナント、 / アポリポタンパクE |
研究概要 |
リポタンパクリパーゼ(LPL)を過剰に発現するLDLレセプターノックアウトマウス(LPL/LDLRKO)とLPLを過剰に発現するアポEノックアウトマウス(LPL/APOEKO)を樹立した。まずLPL/LDLRKOのリポタンパク代謝をLDLRKOと比較したところ、血中の中性脂肪値の著名な低下が観察された。また、総コレステロール値も約半分に低下していた。変化のあったリポタンパクをHPLCも用いて比較すると、IDL/LDL分画のうち、大粒子のリポタンパクの減少が観察された。高コレステロール高脂肪食で飼育して、リポタンパク代謝を比較した場合も同様であり、総コレステロール値の低下が認められ、そのほとんどは大粒子のIDL/LDL分画であった。この分画は小腸由来リポタンパクであるカイロミクロンのレムナント(ChR)に相当する考えられた。即ち、LPLの過剰発現はChRの蓄積を抑制することが明らかにされた。大動脈洞の連続横断面にて評価した動脈硬化の進行は、LPL/LDLRKOはLDLRKOの約1/20に抑制されており、ChRがLDLRKOにおける動脈硬化の主要進展因子であり、LPLはその増加の抑制を介して抗動脈硬化的に作用すると考えられた。 LPL/APOEKOのAPOEKOと比較したリポタンパク代謝の変化は、LPL/LDLRKOの場合よりも軽微であり、血中の中性脂肪値の低下は観察されるが、総コレステロール値の有意な低下は観察されなかった。HPLCで見た場合も、軽度の小粒子化が観察されたが、総体的変化はわずかであった。このことは、LPLのChR低下作用にはアポEの存在は必要であることを示唆する。LPL/APOEKOはAPOEKOと比較して、動脈硬化の抑制傾向が認められたが、その差はLPL/LDLRKOにおいて認められた差に比較して小さかった。
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