研究課題/領域番号 |
08671154
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
花房 俊昭 大阪大学, 医学部, 講師 (60164886)
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研究分担者 |
朝川 秀樹 大阪大学, 医学部, 助手 (60283785)
中島 弘 大阪大学, 医学部, 助手 (50252680)
宮川 潤一郎 大阪大学, 医学部, 助手 (00127721)
難波 光義 大阪大学, 医学部, 助手 (00183533)
辻本 賀英 大阪大学, 医学部, 教授 (70132735)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1996年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 糖尿病 / 膵β細胞 / アポトーシス / βTc1 / サイトカイン / Bc1-2 / トランスフェクション / マウス |
研究概要 |
本研究は、糖尿病の成因として膵β細胞のアポトーシスが関与しているか否かを明らかにするため、(1)アポトーシスによる膵β細胞死の解明、および、(2)アポトーシス抑制蛋白Bc1-2による膵β細胞死の制御、の2点を目的として行った。 まず、マウス由来の膵内分泌細胞株(βTC1、αTC1、NIT-1)において、糖尿病での関与が示唆されているサイトカイン(IFNγ、IL-1β、TNFα)と培養すると、アポトーシスに特徴的なDNAの断片化が経時的に増加した。この結果は、膵内分泌細胞において、アポトーシスを介した細胞死が誘導され得ることを示す。断片化DNAの量は、βTC1>NIT-1>αTC1の順であった。これらの細胞株におけるアポトーシス抑制蛋白Bc1-2の発現は、βTC1<<NIT-1≒αTC1であった。次に、上記膵内分泌細胞株のうち、Bc1-2蛋白の発現が最も少量で、しかもアポトーシスが最も誘導されやすかったβTC1細胞にヒトbc1-2遺伝子をトランスフェクトし、過剰発現させた。その結果、Bc1-2蛋白を過剰発現させたβTC1細胞では、対照のβTC1細胞に比較して、断片化DNAの量が約半分に減少した。 以上の結果より、膵β細胞がサイトカインによってアポトーシスの機序を介して死に得ること、また、そのβ細胞死をBc1-2によって抑制し得ることが明らかになった。この成績は、糖尿病の少くとも一部において、膵β細胞のアポトーシスが関与していることを示唆するものである。
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