研究課題/領域番号 |
08671173
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
横山 直方 長崎大学, 医学部・附属病院, 助手 (10240219)
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研究分担者 |
小路 武彦 長崎大学, 医学部, 助教授 (30170179)
桐山 健 長崎大学, 医学部, 助手 (10264219)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 甲状腺腫 / アポトーシス / Fas / Fasリガンド / 細胞増殖 / ヨード |
研究概要 |
種々の甲状腺疾患では甲状腺腫を高率に認める。一般に、生体の恒常性は細胞の増殖と死のバランスで維持されており、甲状腺細胞数を規定する因子の一つとして、細胞増殖については各種成長因子の関与が報告されている。一方、アポトーシス(自死)が培養甲状腺細胞や甲状腺疾患の手術摘出組織などで報告されているが、生理的意義は未だ十分解明されていない。今回我々は動物モデルの甲状腺腫形成、退縮過程における甲状腺細胞の増殖とアポトーシスの経時的変化、さらにFas、Fasリガンド発現との関連について検討した。 甲状腺腫モデルラットとして5週令雄Wistar ratを抗甲状腺薬PTU 0.25%含有低ヨード食(<0.1μgI/g)で21日間飼育し、引き続き高ヨード水(2.24μgI/ml)により甲状腺腫を退縮させ、経時的に甲状腺組織を摘出し、免疫組織化学染色でFas、Fasリガンド、PCNA発現を、TUNEL染色でDNA断片化を同定した。甲状腺腫重量はPTU投与21日後に対照群の平均6.7倍まで増加、ヨード投与14日後にはその約50%まで退縮した。TUNEL陽性細胞数とFas抗原発現量は平行した動きを示し、甲状腺腫形成時期から増加し退縮早期にピークとなり、甲状腺組織の正常化(退縮後期)につれて減少した。一方、Fasリガンドは全経過を通してほぼ一定の発現を示した。PCNA/TUNEL比は甲状腺腫形成期に著明に上昇し、退縮後期には正常レベル以下まで低下した。 今回の結果より、甲状腺腫形成、退縮両過程を通して、アポトーシスが細胞数減少の主要な因子の一つであること、さらにそのアポトーシスを誘導する因子として、Fas/Fasリガンド系の関与が示唆された。また、アポトーシスと細胞増殖のバランスが甲状腺腫の大きさを規定することが推測された。
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