研究課題/領域番号 |
08671185
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 幹二 東京女子医科大学, 医学部・内分泌センター内科, 助教授 (60138857)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1996年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 高カルシウム血症 / PTHrP parathyroid hormone-related protein |
研究概要 |
妊娠末期に著しい高カルシウム血症クリーゼ(血清カルシウム濃度〜20mg/dl)を生じて、正常児を分娩後に高カルシウム血症が消失した一例を経験した。この症例では高カルシウム血症のある時期に採血されたparathyroid hormone-related protein(PTHrP)が極めて高値であり、高カルシウム血症の成因と考えられた。しかし、悪性腫瘍はどこにも見当たらず、母子ともに3年以上、健康に過ごしている。おそらく、女性ホルモンにより胎盤でのPTHrPの産生が亢進したために、このような病態が生じたと推測される(文献(1)"humoral hypercalcemia of pregnancy"として新しい症候群を提唱した)。 そこで、まず、この患者の末梢血よりリンパ球を採取して、PHA添加してリンパ球を増殖させて、各種女性ホルモンを添加してPTHrPが産生されるか否かを検討したが、conditioned medium中のPTHrP濃度には変化が認められなかった。また、培養リンパ球よりtotal RNAを抽出し、RT PCRを行ってみたが、estrogenで誘発される変化は認められなかった。 この研究の弱点は、PTHrP高値のために悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症であろうと診断しており、分娩時の胎盤を保存していなかったことである。しかし、genomic DNAの変化があれば、患者の他の細胞でも同じ変化が認められるはずである。 現在、患者の皮膚バイオプシーから得られた繊維芽細胞を培養して、genomic DNAを取り出し、PTHrP遺伝子の5'上流の解析をSSCP法により解析中である。問題は、PTHrP遺伝子の転写開始点が3カ所あるので、どこまで解析したらよいか今のところ不明であるが、3,000base pairほど、SSCP法にてscreeningする予定である。 なお、今回、SSPC用に購入した器具(Pharmacia社製の電気泳動システム)を用いて、Northern blotを行い、甲状腺の嚢胞液が貯留する成因として、vascular endothelial growth factorが関与していることを明かにした(文献2;in press)。
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