研究課題/領域番号 |
08671209
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小林 園子 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (00013764)
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研究分担者 |
金ヶ崎 士郎 (金ケ崎 士朗 / 金ヶ崎 士朗) 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10012767)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | Bリンパ球 / CGD / surface Ig / Ig class switch / EBV-BCL / 活性酸素産生系 / 活性酸素 / CGD(慢性肉芽腫症) / surface Lg / Lg class switch |
研究概要 |
我々は既に骨髄及び抹消血のBリンパ球にも好中球と同様の活性酸素産生系(Cyt b558大小鎖、p47-phox、p67-phox)が発現していることを明らかにしてきた。この産生系構成成分が実際に働いているかどうかを調べる為に、活性酸素産生系を欠く慢性肉芽腫症(CGD)患者からEpstein Barr v-irusで不死化したB cell line(EBV-BCL)を作成した。得られたcell lineは由来患者の好中球の活性酸素産生系の欠損(Cyt b558欠損、P47-phox欠損、p67-phox欠損)に一致していた。正常人由来のEBV-BCLでは、刺激剤としてPMAを用いても、表面抗原をcross linkさせても活性酸素の産生はみられたが、CGD患者由来のEBV-BCLではいずれでも活性はみられなかった。即ちB細胞においても好中球と同じ活性酸素産生系が発現しているだけでなく機能していると考えられ、それはPMA刺激のみならずsurface Ig(sIg)等の表面抗原をcross linkさせた際にも機能している事が明らかとなった。B細胞での活性酸素産生系の発現は成熟B細胞の時期であった事、表面抗原をcross linkさせた時にも活性酸素の産生がみられた事等は、B細胞が産生する活性酸素が好中球での殺菌作用とは異なる独自の役割(抗原提示、processing等)をもつ事を示唆している。そこで我々はWattsの方法に準じて、毒素(破傷風等)に特異的なsurface Ig(sIg)をもつ正常人及びCGD患者由来のEBV-BCLに毒素を取り込ませ、Processingに差があるかどうかを調べる実験を始めた。しかし、その後CorradinらによりCGD患者由来の抗原提示細胞(Ag Pre-senting Cell;APC)による破傷風毒素のProcessing及び特異的なヒトT細胞への提示に異常はなく、正常人由来の細胞とかわらないという報告がなされた(Clin.Exp.Imunol.95,227,'94)。EBV-BCLを作成した際、そのsIgを調べた処、正常人由来のものでは細胞表面にsIgMをもつ細胞が多かったのに対して、CGD患者由来のものでは細胞表面にsIgGをもつ細胞が多かった。そこで新たに主にCGD患者のBリンパ球よりEBV-BCLを作成し、クローニング及びSortingによりsIgMをもつ細胞を集めた。活性酸素産生条件下で、正常人由来の細胞とCGD患者由来の細胞にClass switchに差があるかどうかは今後の検討が必要である。
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