研究課題/領域番号 |
08671215
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三谷 絹子 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50251244)
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研究分担者 |
黒川 峰夫 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
小川 誠司 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (60292900)
田中 智之 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50227154)
平井 久丸 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (90181130)
宮川 清 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (40200133)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1997年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1996年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | RNAポリメラーゼII伸長因子 / 転写伸長因子 / MEN / t(11;19) / 白血病 / AP-1活性 / 骨髄異形成症候群 / t(11;19)(q.23;P13.1) / MLL / 転写因子 / 伸長因子 |
研究概要 |
前白血病状態が白血病化する分子機構の一端を明らかにする目的で進展期MDS症例に観察されるt(11;19)(q23;p13.1)の原因遺伝子MLL/MENのクローニングを行った。MLLはAThooksと2つのzinc fing-er domainsを有する転写因子であり、t(11;19)転座の結果、2つの zinc finger domainsを失っていた。一方、MENはRNAポリメラーゼII伸長因子をコードしている新規遺伝子であり、t(11;19)転座の結果、N末の45個のアミノ酸を失っていた。私たちは、MLL/MEN、tMLL(患者白血病細胞で発現が期待される2つのzinc finger domains以下のシークエンスを失った短縮型のMLL)、MENのcDNAをCos7細胞に遺伝子導入し、それぞれ230kD,180kD,80kDの蛋白質として発現することを明らかにした。免疫組織染色及び細胞分画の実験により、これらの蛋白質はすべて主に核内に存在することが明らかになった。従って、核内の転写制御異常が前白血病状態進展に関与すると考えられた。さらに、基本転写因子MENの異常発現が白血病進展に至る機序を明らかにする目的で、MENの造腫瘍活性を以下の実験で証明した。ラットの線維芽細胞Rat1にMENを遺伝子導入すると、コロニー形成能の増強及び血清要求性の低下が観察された。これらの効果はMENのc末領域に存在するlysine-rich domain依存性であった。また、MENを発現しているRat1細胞ではFOS蛋白質の発現亢進及びAP-1活性の亢進が観察された。これらの効果はやはりすべてMENのlysine-r-ich domainに依存性であった。従って、MENの造腫瘍活性はFOSの発現亢進を介するAP-1活性の増強によるものであることが予測された。
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