研究課題/領域番号 |
08671218
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
広沢 信作 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (50143574)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | アルファ2プラスミンインヒビター / 欠損症 / 粗面小胞体 / 発現実験 / 変異蛋白 / 線溶系 |
研究概要 |
アルファ2プラスミンインヒビター(α2 plasmin inhibitor、以下α2PIと略す)は、線溶系の重要な因子である。日本の一家系の異常は、1塩基の挿入によるフレームシスにより、C末端の12個のアミノ酸が178個の別のアミノ酸に置換(α2PI-Nara)される。発現実験により、欠損症では粗面小胞体のレベルで変異蛋白の輸送が障害されていることが、今回、粗面小胞体の中における分解のメカニズムについて検討した。 正常のα2PIとα2PI-NaraのcDNAを、T7のプロモーターを持つベクターpBlueScriptの下流に挿入し、mRNAを合成した。粗面小胞体の調製は、50A_<280> units/mlの最終濃度として使用した。合成したmRNAを網赤血球のライセ-トを用いたin vitro translationの系にて、翻訳を行い、25℃にて40分蛋白合成させた。変異蛋白(α2PLI-Nara)が正常蛋白より、明らかに分子量の大きな蛋白となるため、蛋白のサイズから移行を確認することができた。また、エンドグルコシダーゼHによる検討より糖鎖の負荷が5ヶ所に確認された。 次に、粗面小胞体の小胞体内へ移行した正常ないし蛋白の小胞体内での処理機構について検討した。正常蛋白は翻訳移行後、30℃200分まで観察したが、分解は全くみられなかった。一方、変異蛋白は60分から分解がみられ、90分では、ほとんど分解された。変異蛋白の分解に対する温度の影響を検討したが、4℃、15℃ではほとんどみられなかった。本法法により、粗面小胞体における分解の検討が可能となった。変異蛋白の分解に関与するプロテアーゼについても検討中である。
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