研究課題/領域番号 |
08671225
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
直江 知樹 名古屋大学, 医学部, 助教授 (50217634)
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研究分担者 |
大林 包幸 名古屋大学, 医学部, 医員
市橋 卓司 名古屋大学, 医学部, 医員
北村 邦朗 名古屋大学, 医学部, 医員
堀部 敬三 名古屋大学, 医学部, 講師 (30209308)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 転座メカニズム / 染色体転座 / 急性前骨髄球性白血病 / 治療関連二次性白血病 |
研究概要 |
治療関連二次性白血病の発症メカニズムを研究する目的で、治療関連二次性急性前骨髄球性白血病(T-sAPL)での染色体転座t(15;17)におけるPMLおよびRARA遺伝子切断点を解析し、de novo APLでの切断点と比較した。対象はJALSGおよび厚生省白血病治療班に登録された成人de novo APL120例およびランゲルハンス細胞組織球症(LCH)診断後、T-sAPLを発症した4例(男1例、女3例、平均年齢3.1歳)で、いずれもt(15;17)転座を有していた。LCHからT-sAPL発症までの期間は3〜8.5年でVP16総投与量4.8〜50.0g/m^2であった。de novo APLではPML遺伝子切断部位は約30%がイントロン3に、約70%がイントロン6・エクソン6に存在し、RARA遺伝子切断部位はすべてイントロン2存在した。8例においてder(15)およびder(17)の連結領域をシークエンスしたところ、共通する塩基モチーフを見出すことは困難であった。しかし、半数以上の連結部位においてPML遺伝子とRARA遺伝子が1〜7塩基を共有していることから、再結合モデルとして、非特異的なDNA二重鎖切断に続いて突出した一本鎖DNAどうしのペアリングが起きてDNAの結合に進む過程が考えられた。一方、T-sAPLの4症例の切断点は、サザンプロットの結果いずれもPML遺伝子のイントロン6、RARA遺伝子のイントロン2(EcoR1-BamH1の1.1kb)にあると予想された。つぎにPCRを行い切断領域を含むRARA-PMLおよびPML-RARA融合遺伝子のクローニングを行なった。その結果、4例とも約5.5kbのDNA増幅され、Eco R1で処理したところ、3.5kb、0.7kb、0.3kbの共通なbandの他に1.0〜2.1kbの異なる大きさのbandが検出された。各症例のder(15)のシークエンスが終了し、現在der(17)及びRARA遺伝子ゲノムクローンのシークエンスを行っているが、これまでのシークエンスでは転座部位に共通する塩基モチーフを見出すことは困難であったが、T-sAPLの発症メカニズムはde novo APLとは異なると考えられた。
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