研究課題/領域番号 |
08671241
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
山口 直人 熊本大学, 医学部, 助教授 (00166620)
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研究分担者 |
須田 年生 熊本大学, 医学部, 教授 (60118453)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | チロシンキナーゼ / Csk homologous kinase (Chk / Hyl) / Src型キナーゼ / Csk / 血小板 / トロンビン / CD36 / トランスロケーション |
研究概要 |
Src型キナーゼの活性はCskによって常に抑制的に調節されている。我々は、Cskと高い相同性をもつHylを単離し、ゲノム構造の解析からCskとファミリーを形成することを明らかにしてきた。また最近、HylはCsk homologous kinase (Chk)へと名称が変更された。本研究では、ヒト血小板を用いて、Src型キナーゼ活性制御機構を調べることを目的とした。血小板におけるChkとCskの細胞内局在の解析から、Chkは、Cskと同様に膜結合モチーフを持たないにも拘わらず、膜画分に局在し、Csk細胞質局在と対比された。Chkは幾つかの細胞膜貫通蛋白との会合を示した。そして、Chk-膜蛋白複合体はCD36-Lyn複合体の近傍に局在し、化学架橋剤を用いた実験から、ChkはCD36と緩やかな相互作用をもつことが予測された。一方、CskとCD36との会合は見られなかった。トロンビン刺激により、Chkは細胞骨格画分へと迅速に移行するが、Cskは局在を殆ど変化させなかった。CD36-Lyn複合体近傍からのChkの迅速かつ完全な消失は、LynのC末端チロシン残基のリン酸化の著しい減弱を惹起した。そして、Lynは酵素活性の上昇を起こした後、シグナルを伝達するために細胞骨格画分へと徐々に移行した。LynのC末端チロシン残基の脱リン酸化反応は、Chkの細胞骨格画分への迅速な移行が引き金になっていると推測される。血小板におけるSrc型キナーゼのなかで、c-Srcは最も発現量が多いが、CD36とは会合しない。刺激後のc-SrcのC末端チロシンリン酸化状態変化とそれに伴う活性変動は一過性であり、Chkの細胞局在変化と呼応しなかったので、c-Srcの活性はCskによって制御されていると考えられる。しがたって、ChkとCsk共に発現している血小板において、ChkとCskはSrc型キナーゼに対する役割分担を示すことが分かった。
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