研究課題/領域番号 |
08671249
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
坂田 洋一 自治医科大学, 医学部, 助教授 (40129028)
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研究分担者 |
三室 淳 自治医科大学, 医学部, 講師 (10221607)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 血管新生 / アンギオスタチン / プラスミノゲン / 癌転移 |
研究概要 |
研究は、癌の転移巣からの浸潤転移を抑制しているアンギオスタチンが、プラスミノゲンの構造の一部であるクリングル領域1+2+3(K1+2+3)とほぼ同じ構造をした物質であったという報告から出発している。さらに、プラスミノゲンのノックアウトマウスでは、平滑筋細胞やケラチノサイトの移動が見られないために、創傷治癒が見られなくなることが明らかにされ、プラスミノゲンの細胞移動に果たす役割の重要性が確認された。我々は、まず、このK1+2+3を認識するモノクロナル抗体を30種類近く作製した。そして、これらの抗体のcharacterizationを進めるとともに、これを細胞移動や、動物を用いた転移実験に用いてK1+2+3のどの部位が転移抑制に重要かを明らかにし、癌の転移を抑制する手段を模索する計画を立てた。まず、抗体の解析を施行した。プラスミノゲンはK1+2+3の部位にいわゆるリジン結合部位と呼ばれる構造を持ち、この部位にリジンが結合すると大きく構造が変化する。我々の抗体の一部(7種類)は、リジン結合部位以外のところに結合するがそれでも結合によりプラスミノゲンの構造変化を惹起したため(世界初)、細胞を用いた実験に利用することも視野に入れ、更にその解析を進め、報告した(J.Biochem.121:278-287,1997)。現在、characterizationを終了した抗体や、K1+2+3ペプチド、α2-プラスミンインヒビタ、フィブリノゲン、プラスミノゲンアクチベータインヒビタやウロキナーゼ型プラスミノゲンアクチベータの受容体を用いて、細胞の進展移動に及ぼすこれらの因子の影響などを解析中である。しかし、これまで報告されている手技が極めてアーチファクトの入りやすい系であることもあり、結果にばらつきがみられている。いかようにも解釈できるために、試行錯誤しながら更に再現性の良い実験モデルを模索中である。
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