研究概要 |
線溶制御因子Plasminogen activator inhibitor 2(PAI-2)の生理的役割を検討するために、mouse PAI-2のcDNAと遺伝子をクローニングし、また、mouse PAI-2 mRNAとPAI-2分子の発現を検討した。その結果PAI-2は種々の皮膚や腹膜中皮細胞などの表皮細胞とマクロファージに発現が認められ、その結果を報告した(Thromb Haemost 76,569-576,1996)。さらに、実験計画に従ってPAI-2 nock out mouse作製をすすめた。マウスPAI-2遺伝子の一部をhomogolous recombinationにより削除するために、三種類のTargeting vectorを構築した。Targeting vector ♯1はPAI-2遺伝子のexon VI^〜VIIIをNeomycin resistant gene(Neor)と置換するようにデザインし、5´、3´側に5.5kb、3.6kbのPAI-2遺伝子をもち、さらにHerpes simplex virus thymidine kinese gene(TK)をもつ。Targeting vector ♯2はPAI-2遺伝子のexon V^〜VIIIをNeorと置換するようにデザインし、5´、3´側に7kb、3.6kbのPAI-2遺伝子とTK geneをもつ。Targeting vector ♯3はPAI-2遺伝子のexon II(initiation codonを有する)をNeorと置換するようにデザインし、5´側、3´側に5.5kb、4.5kbのPAI-2遺伝子とTKをもつ。♯1 VectorをES細胞にelectroporation法でvectorを導入し、得られたNeo耐性クローンを解析中である。
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