研究課題/領域番号 |
08671266
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
鈴木 英紀 財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 循環器病研究部門, 研究員 (30158977)
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研究分担者 |
田上 憲次郎 財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 循環器病研究部門, 研究員 (30014137)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 血小板粘着 / 接着斑 / 細胞骨格 / チロシキナーゼ / 免疫電顕 / 蛍光染色 / チロシンキナーゼ / αIIbβ3 / フィブリノゲン |
研究概要 |
平成8年度は、コラーゲン固相化カバースリップに粘着、伸展させた血小板を対象にして、αIIbβ3の再分布について免疫電顕的に検討し、粘着の機構のなかでも特に伸展との関わりについて検討した。その結果、血小板伸展時にαIIbβ3は特に伸展方向の辺縁部に再分布し、基質上に分泌されたフィブリノゲンに結合する所見を得た。一方、αIIbβ3がほとんどない血小板無力症血小板では胞体の伸展が不良であり、基質上にフィブリノゲンはほとんど分泌されなかった。以上の結果から、辺縁部に分布するようになったaIIbb3と基質上に分泌されたフィブリノゲンが結合することによって血小板伸展が促進すると考えられた。 平成9年度は、免疫蛍光法で骨格蛋白およびチロシンキナーゼの分布を検討した。チロシンキナーゼの中ぜも、FAKは接着斑に分布することが知られている。検討の結果、アクチンフィラメントは束となって伸展血小板に分布した。ビンキュリンは伸展血小板の中心部と辺縁部の間の中間部で棒状にかつ放射状に強く染色され、その一部はアクチンの走行に沿っていた。タリンは微慢性に染色されたが、隣り合う血小板の接触部で強い陽性像を示した。一方、FAKとSrcは伸展血小板の中心部近傍で斑点状の陽性像が輪状になて染色された。しかし、SykはFAKおよびSrcとは異なり、辺縁部を中心に微慢性に染色された。 これらの結果より、血小板において、FAKとSrcは粘着血小板の中心部付近の底部で斑点状に限局して観察され、これは粘着初期の接着斑様のものと推察された。しかし、ビンキュリンおよびタリンは接着斑様に染色されず、血小板においては典型的な接着斑の形成はないと考えられた。またSykは伸展血小板の辺縁部にも分布するようになり、同様に辺縁部に分布するようになるαIIbβ3との関連が示唆された。
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