研究課題/領域番号 |
08671322
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胎児・新生児医学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
森島 正恵 (1997) 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00241068)
飛田 公理 (1996) 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70266740)
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研究分担者 |
富田 幸子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40231451)
安井 寛 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (60210241)
中澤 誠 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (10075567)
森島 正恵 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00241068)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | エンドセリン-1 / ノックアウトマウス / 心血管奇形 / ノックアウト マウス / エンドセリン-1 ノックアウトマウス / 血行動態 / 循環系の発生 |
研究概要 |
背景・目的:東大第三内科栗原らは、gene targetingにより、エンドセリン-1ノックアウトマウスを作成した。このホモ個体では、神経堤細胞の遊走異常、特に動脈弓異常に高率を示すほか、20-30%にdextroposition of the aortaを種々の程度に認めた。この系において、動脈弓異常が血行動態異常を引き起こし(downstream effect)、その結果心流出路奇形を生じる可能性を検討するため、本研究を計画した。 方法:全胚培養の技術を応用し、酸素飽和した温ハンクス溶液を灌流したチャンバー内に、胎盤につながったままの生きた胎仔(胎生11-12日)を入れ、実体顕微鏡で心拍動を観察しつつ、ハイスピード・ビデオカメラで記録、心室の輪郭をコンピューター上でトレースし、心室拡張末期面積、収縮率等の指標を計算。また、サーボ・ヌル血圧計で心室圧測定。ホモ個体とコントロール(ヘテロ・野性型)の間で各指標を比較。また、胎仔は実験後固定し、走査電顕にて形態学的検索。 結果:胎生11・12日において、ホモ胎仔全例で心房の著明な拡張・右室の低形成(p<0.05)を求めた。胎生11日目では、右室の収縮率は上昇(p<0.05)、左室は面積・収縮率共にコントロールとの差を認めなかった。しかし胎生12日目では、右室の収縮率は低下(p<0.05)、左室面積・収縮率はコントロールより増大傾向を認めた(no statistical significance)。一方、心流出路の形態は、(1)近位心流出路心内膜床の低形成・異形成、(2)遠位心流出路心内膜床の回転の低下、(3)流出路中隔の偏位、の3つの基本的異常を種々の程度に示し、結果的にdextroposition of the aortaから大血管転換までのスペクトラムを示した。 考察:本研究の初期段階において、胎生11、12日胎仔において心房拡張と右心室の低形成を認め、その基本的病態として右心室拡張能低下が疑われた。心室圧測定からは拡張能の判定は出来なかったが、心室の面積とdensityの比より、a-kick末期の心室拡張の低下が示唆された。一方、血行動態的検索により、11日目では右室収縮能亢進、12日目では収縮能低下を認め、この間に右室の収縮動態に変化が生じていることが示唆された。形態的にはdextroposition of the aortaから大血管転換までのスペクトラムを認め、大血管転換の発生を研究する上でも有用なモデルであることが示された。
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