研究課題/領域番号 |
08671337
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
武田 泰隆 東京大学, 医科学研究所, 助手 (40163422)
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研究分担者 |
茶山 和敏 静岡大学, 農学部, 助教授 (30260582)
松沢 昭雄 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50012745)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | マウス乳癌 / ヘテロジェナイテイ / ホルモン依存性 / 自律性増殖 / 細胞間相互作用 / 悪性度 / コラーゲンゲル / メタロチオネイン / Methallotionein |
研究概要 |
DDDマウスの妊娠依存性乳癌株TPDMT-4(以下T4)は、低ホルモン条件下では正常組織と類似した行動を示し、高ホルモン条件下では腫瘍として行動する特異的な株である。このようなT4乳癌及びT4と類似しており且つ自律性増殖を呈するT4-OI320(以下320と略す)と、より悪性進展度の高い自律性増殖株であるT4-OI96(以下96と略す)を用いて、増殖率と増殖形態に関する相互作用を検討した。320と96の各乳癌細胞をコラゲナーゼ処理により採取し、各単独培養群と混合培養群を作成して培養を行った。その結果、混合培養群と単独培養群の増殖率に有意差は見られなかった。さらに増殖形態に関しても特に変化は認められなかった。以上の実験から、使用した乳癌の混合培養による相互作用は観察されず、さらに方法論の検討が必要となった。そこで、腫瘍の悪性進展とそれに関連する癌細胞のヘテロジェナイテイを検討するための新たな指標として金属結合タンパク質で抗癌剤の耐性にも関与していると報告されているメタロチオネインに着目し、本研究の実験対象であるT4とその悪性進展株におけるメタロチオネインの発現を免疫組織化学的手法によって比較した。T4、320および96の各乳癌株をブアン液で固定し、パラフィン切片を作成し、抗メタロチオネイン抗体を用いた酵素抗体法により各乳癌組織内のメタロチオネイン発現を調べた。メタロチオネインの発現は悪性度の低い株ほど高く、メタロチオネイン陽性細胞が多く見られたT4および320において、癌組織内のメタロチオネインの発現はT4では組織全体に陽性細胞が見られたのに対し、悪性度の高い320では陽性細胞が集団的に散在していることが判明した。以上の結果から、メタロチオネインが腫瘍の悪性進展とそれに関連する癌細胞のヘテロジェナイテイを検討するための新たな指標として有効である可能性が示唆された。また、最近注目されている細胞のアポトーシス、テロメラーゼ、テロメアなどについて得られた新知見も今後の研究へ応用できる道が開かれた。
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