研究課題/領域番号 |
08671340
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
今西 宏明 (1997) 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (60270881)
佐藤 紀 (1996) 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (40170724)
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研究分担者 |
宮田 哲郎 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (70190791)
多久和 陽 国際科学振興財団研究開発部, 主任研究員 (60171592)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1996年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | PDGF / PDGFXR / neointimal SMC / adenovirus / 内膜肥厚 / Angiotensinll / アデノウィルスベクタ / 遺伝子治療 |
研究概要 |
バルーン血管拡張術は、虚血性心疾患をはじめとする閉塞性動脈硬化症の低侵襲性治療として急速に普及してきたが、同時にその高い再狭窄率のため未だ満足できる結果が得られていない。私たちは、再狭窄の主たる原因である内膜肥厚の形成期にPDGF受容体の活性化が引き起こされていることを突き止めていた。本研究では平成8年度にPDGF-B鎖の作用を阻害し得るPDGFXR(PDGF-β受容体の細胞外領域)に注目し、培養血管平滑筋細胞を用いてin vitroでPDGFXRがPDGF-B鎖の作用を特異的に阻害することを明らかにした。さらにPDGFXR遺伝子をアデノウイルスベクターに組込み(AxCAPDGFXR)、ラットバルーン障害血管に遺伝子導入し内膜肥厚を抑制することに成功した。この結果は、PDGF-B鎖が内膜肥厚の形成に関与していることの直接的な証明となると同時にPDGFXRが内膜肥厚の治療手段となり得ることを示した。平成9年度では障害血管におけるPDGF-α受容体の活性化もPDGF-B鎖に由るものであることを明らかにした。さらに、内膜が急速に形成されてくる時期におけるPDGF-B鎖の由来について検討した。肥厚内膜より平滑筋細胞を樹立し、PDGF-B鎖の発現誘導を調べてみると、アンギオテンシンII刺激によりPDGF-B鎖遺伝子の発現が著明に誘導されていることを突き止めた。このように、アンギオテンシンII-PDGF-Bネットワークを解明し、内膜肥厚の発生期序の一端を明かにした。
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