研究概要 |
アップルペクチンオリゴ糖のSOD活性及びハイドロキシラジカル消去活性とオリゴ糖投与マウスにおける門脈血のSOD活性についてESRを用いてフリーラジカル消去活性から検討を行った. 【材料および方法】オリゴ糖はSetereum perpureumの培養上清より調製した.またPectinase-GODO endo-PGによりOligosaccharideとし,平均重合度によりLL(26.6),L(19.9),M(14.6),S(4.1)の4群に分けて分析した.これらを0.2,2,20mg/mlのオリゴ糖水溶液としフリーラジカル消去活性の測定に供した.生理食塩水で溶解した150mg/Kgのオリゴ糖を一日一回,8日間,連続経口投与を行い(n=5),等量の生理食塩水のみの投与を行い対照群とした(n=5).8日目に,門脈血を採取し,血清を分離,SOD活性を測定した.ESRによるSOD活性の測定はJES-FR30を用い,スピントラップ法により行った.トラップ剤としてDMPOを用い,ハイドロキシラジカル消去活性の測定はFenton反応によった. 【結果】オリゴ糖投与群,非投与群のラット門脈血血清のSOD活性に有意差は認められなかった.オリゴ糖におけるin vitroでは、活性酸素消去能は0.2mg/mlで0.89%,2mg/mlで8.35%,20mg/mlで30.38%と用量に比例した.ハイドロキシラジカル消去活性は,0.2mg/mlで-0.16%,2mg/mlで30.67%,20mg/mlで88.57%とやはり用量に比例して増強した.LL,L,M,Sの分画による4群では重合度の低いSにのみ消去活性がみとめられ,熱処理されたS分画も同じ程度の相対強度を示した. 【考察】オリゴ糖投与群,非投与群の門脈血のSOD活性に差を認めず,in vitroでは用量依存性にSOD活性の増強をみた.同様の結果はハイドロキシラジカル消去活性にも認められた.重合度差によるハイドロキシラジカル消去活性は,最も低いSの領域に高く,熱処理後にも変化しない.この事実は腸管内細菌叢のオリゴ糖代謝における関連がどのように影響しているかを分析する必要が示唆され,また各分画におけるSOD活性とも比較したい・
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