研究課題/領域番号 |
08671353
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
横山 逸男 名古屋大学, 医学部, 講師 (60240206)
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研究分担者 |
禰宜田 政隆 名古屋大学, 医学部, 医員
小林 孝彰 名古屋大学, 医学部, 医員
林 衆治 名古屋大学, 医学部, 助手 (30218573)
高木 弘 名古屋大学, 医学部, 教授 (70154755)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 同種移植 / 組織適合性抗原 / Veto細胞 / 免疫寛容 / Tリンパ球 / アポトシース |
研究概要 |
同種移植における免疫寛容のメカニズムにおける、CD8陽性リンパ球のアポトーシスの役割について、特にFas抗原の重要性について研究を行った。 In vitroの実験では、CD8およびCD4陽性リンパ球のFas抗原の発現率は約60%と高かった。またフローサイトメトリーによるこれらリンパ球の核の断片化を定量したところ、免疫寛容モデルの状況下では、免疫寛容の程度に応じてそれが抑制されていた。核の断片化の形態学的特徴は、共焦点レーザーにより観察したところ特徴ある組織学的変化がみられbp180ないし200におけるDNA分子の集積が認められ、アガロースゲル電気泳動においても確認された。 In vivoの実験では、小動物を用いた同種移植拒絶反応形による肝移植を行った。移植片臓器は同種移植拒絶反応にともない細胞のアポトーシスが顕著に出現していた。免疫寛容状態では、移植片のアポトーシスは減少しており、この系における脾臓リンパ球を用いたFas抗原発現率を測定すると、免疫寛容に応じたCD8陽性細胞の変化が示された。 一方In vivoの実験における同種移植拒絶反応モデルでは移植片組織内のリンパ球浸潤と相関せず移植片組織のアポトーシスが多く見られた。このことはリンパ球と標的臓器の細胞-細胞間のアポトーシス誘導のレセプターの関連を基盤とするものであるが、血液中の可溶性アポトーシス誘導受容体の存在を強く示唆するものであった。この点は免疫寛容のメカニズムの解明に重要な鍵をにぎるものと推測される。すなわちCD8陽性細胞の一部の細胞群にveto細胞が存在することである。これらの細胞膜上あるいはそれらから放出された可溶性Fas受容体が他のCD8陽性細胞のFas抗原と反応し、これにより免疫担当細胞の機能低下を来たし免疫寛容に至るという一連のメカニズムを示唆すると推測した。
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