研究課題/領域番号 |
08671365
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
芝 英一 大阪大学, 医学部, 助教授 (90215997)
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研究分担者 |
金 昇晋 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
田口 哲也 大阪大学, 医学部, 助手 (80243260)
木本 安彦 大阪大学, 医学部, 助手 (70153228)
高井 新一郎 大阪大学, 医学部, 教授 (80028513)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | プラスミノーゲンアクチベータ- / u-PA / u-PAR / 乳癌 / 予後因子 |
研究概要 |
研究の目的 申請者らは線溶系のプロテアーゼとそのインヒビターが、乳癌の悪性度の指標になり得るかを検討した結果、u-PA(ウロキナーゼ型PA)およびPAI-I(PAインヒビターI)を多く含む乳癌は、少ないものに比べて有意に予後不良であった。この研究をさらに推進する目的で、u-PAとu-PAR(u-PAレセプター)の局在を免疫染色で明らかにし、これらの結果と乳癌との予後を検討し、これらが乳癌の新規の予後因子となり得るかを解析した。 研究方法 乳癌組織中のu-PAおよびu-PARをそれぞれに対する抗体を用いて免疫組織化学法(LSAB法)にてその局在を検討した。 研究実績の概要 乳癌組織中のu-PA、u-PARの免疫染色の結果、u-PAは乳癌組織中では主に乳癌細胞の細胞質に認められた。またu-PARは乳癌細胞の細胞膜、間質細胞(形態上から繊維芽細胞)の細胞膜上に認められたが、陽性細胞の数は間質細胞により多く認められた。乳癌細胞中にu-PA陽性群での再発率は71%に対して陰性群は5%であり、有意に予後不良であった。一方u-PAR陽性群の再発率は34%に対して、陰性群では13%と、陽性群で有意に予後不良であった。以上のことから、乳癌細胞に含まれるu-PAは、乳癌細胞の細胞膜上に存在するu-PARに結合してautocrineに働いて、細胞増殖を促進したり、プロテアーゼ活性を増強させる。そうすることにより、癌の浸潤転移を容易にする。また乳癌細胞に含まれるu-PAは、間質細胞の細胞膜上に存在するu-PARに結合してparacrineに働いて、細胞増殖を促進したり、プロテアーゼ活性を増強させ、乳癌の浸潤転移に大きく関与すると考えられる。
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