研究課題/領域番号 |
08671383
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
篠沢 洋太郎 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (30129465)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 熱傷ショック / 微小循環 / 一酸化窒素 / 構成型一酸化窒素合成酵素 / 誘導型一酸化窒素合成酵素 / 一酸化窒素合成阻害剤 / メシル酸ナファモスタット / エンドトキシン / エンドトキセミア / 蛋白分解酵素阻害薬 / 一酸化窒素合成酵素阻害薬 / 熱傷 / 熱傷創 / 創傷治癒 / カテコラミン / ハイドロオキシプロリン / アルギニン / シトルリン / オルニチン / ショック |
研究概要 |
1. 熱傷ショック期〜早期における熱傷創微小循環動態を30%TBSAIII度熱傷SDラットモデルにおける熱傷創のintegrityを観察することにより検討した。また、一酸化窒素(NO)合成酵素cNOS、iNOSの阻害剤(それぞれN^G-nitro-L-arginine10mg/kg、aminoguanidine100mg/kgを1〜7日腹腔内投与)の影響を検討した。結果:(1)熱傷早期のNO代謝物NOx(NO2+NO3)の尿中排泄の増加はiNOS優位と考えられた。(2)iNOS阻害剤は2-3日の熱傷創からの不感蒸泄量を低下させる傾向がみられた。 結語:熱傷ショック期〜早期におけるiNOS抑制剤投与は熱傷創の微小循環維持に関係し熱傷創のintegrityの保持に有益と考えられた。 2. 臨床で使用可能なiNOS阻害効果を有する薬剤を模索すべく、熱傷感染症期に合併することの多いsepsisのSDラットモデルにて検討した。頚動脈カニュレーション後、エンドトキシン(Et)群では頚動脈よりEt5〜10mg/kgを15〜20分間隔で5回投与、この20分後に頚動脈からの採血にて犠死せしめた。Et+EUT群では初回Et投与30分前、55分後にFUT-1751〜2mg/kgを頚動脈より投与した。control(C)群ではEt,FUTの代わりに生食水を同量投与した。血漿検体にてNOx、肺、肝、胃のNO合成酵素(iNOS、cNOS)を測定した。結果:(1)血漿NOxはC群、Et群、Et+FUT群それぞれ、19.4±2.1μM/L、36.0±4.1(p=0.013 vs C群)、26.5±7.4であった。(2)cNOSは肝、肺でEt郡でC群に比し増加、iNOSは各臓器でEt群でC群に比し増加、Et+FUT群でEt群に比し低下した。結語:FUT-175はEtによる血中NOx濃度,組織cNOSの誘導に影響しなかったが、Etによる組織iNOSの誘導を有意に抑制した。 3. 以上、熱傷早期、sepsis期いずれにおけるNO産生もiNOS優位であり、微小循環傷害、肺傷害に関係すると考えられた。熱傷早期およびsepsis期でのFUTの有用性が示唆された。
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