研究課題/領域番号 |
08671399
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
上石 弘 近畿大学, 医学部, 教授 (40050512)
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研究分担者 |
磯貝 典孝 近畿大学, 医学部, 助教授 (90203067)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1996年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 切断指再接着 / 引き抜き損傷血管 / 血管閉塞率 / 糖尿病 / 切断指再接着術 / 閉塞率 / 微小血管吻合 / 超音波トランジット血流計 / パワースペクトラム |
研究概要 |
一般に、引き抜き損傷を伴う切断手指再接着では、術後に血栓形成を生じ易く、再接着組織の生着率は極めて低いことが知られている。この原因には、内膜損傷の関与が示唆されてきたが詳細は不明であった。そこで、動脈の引き抜き損傷モデルを作製し、内膜の形態的変化を検討した。その結果、引き抜き損傷では、血管内膜に生ずる全周性の環状亀裂が特徴的に認められた。走査電子顕微鏡を用いた検討より、この亀裂は、内皮細胞層および内弾性板の断裂・剥離であった。さらに、血管形態的特徴よりみた血栓易形成性の原因は、中膜平滑筋層に及ぶ深い亀裂を伴う内膜の広範な弁状剥離である事が判明した(平成8年および9年度の研究結果)。 一方、糖尿病による病的血管を対象とする切断手指再接着術では、血管壁の異常によって、術後血管開存率および再接着指の生着率は、さらに低下することが予測されるが詳細な検討は未だ行われていない。 OLETFラットは、臨床的に95%以上を占めるインスリン非依存性糖尿病の自然発症モデル動物として近年注目を集めている。そこでわれわれは、このOLETFを動物モデルとした実験を行い、引き抜き損傷が、糖尿病状態における血管に及ぼす影響を検討した。その結果、OLETFを用いた血管引き抜き損傷モデルでは、血流遮断後の血管開存率が著明に低下していた。また、これには、血管壁の伸長性の異常による血栓形成の促進が関与していることが示唆された(平成10年度の研究結果)。
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