研究課題/領域番号 |
08671482
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
高橋 伸 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (50129508)
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研究分担者 |
玉川 英史 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00255473)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 幽門輪保存膵頭十二指腸切除術 / 胃内容停滞 / intermittent migrating complex / 血中acetaminophen濃度 / 血中motilin濃度 / 幽門輸保存膵頭十二指腸切除術 |
研究概要 |
幽門輪保存膵頭十二指腸切除術(PPPD)後に生じる胃内容停滞の原因を解明するために、雑種成犬を用いて以下の実験を行った。コントロール群、PPPD急性犬(術後7日目まで測定)、PPPD慢性犬(術後28日目まで測定)の3群において、Strain Gage Force Transduser(SGT)、を胃体部、前庭部、挙上空腸にに装着し、腸管運動の観察を行った。同時に、血中acetaminophen濃度による胃内容排出と血中motilin濃度の測定も施行した。 コントロール群の空腹時の胃体部、前庭部では平均108分の周期で、平均持続時間15分42秒のintermittent migrating complex (IMC)が規則正しく出現し、摂取したBarium mealは6時間で胃から排出された。PPPD急性犬ではBarium mealは胃から排出されたが、その時間は遅延しており、胃内容の停滞および幽門輪の開存が認識された。胃内容の停滞は血中acetaminophen濃度の測定でも確認された。PPPD慢性犬では術後14日目になると、胃体部、前庭部にIMCに類似した強収縮群が出現したが、周期、持続時間とも不規則であった。この収縮群とIMCとを比較してみると、術後14日目の収縮群の発生周期、持続時間はIMCに比べ有意に短縮していた。術後28日目では持続時間は有意に短かったが、発生周期に差は見られなかった。 PPPD術後早期の犬の幽門輪は開存していたが、胃体部、前庭部にIMCは出現せず、持続時間の短い強収縮群が不規則に発生するため、胃内容停滞が惹起されるものと考えられた。慢性期にはIMC類似の強収縮群が観察されるようになり、胃の排出運動は回復して来るが、この強収縮群発現時の血中motilin濃度は、control群のIMC発生時の血中motilin濃度よりも低値を示しており、十二指腸の切除に伴うmotilin産生能の低下も、PPPD術後の胃内容停滞を招く原因の一つと考えられた。
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