研究課題/領域番号 |
08671530
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
藤村 嘉彦 山口大学, 医学部・附属病院, 講師 (60199362)
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研究分担者 |
濱野 公一 (浜野 公一) 山口大学, 医学部, 助手 (60263787)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 胸腹部大動脈瘤 / 脊髄虚血 / 対麻痺 / プロテアーゼ / Calpain inhibitor |
研究概要 |
1.至適遮断時間の決定 日本白色家兎を人工呼吸下に左第4肋間開胸を行い、胸部大動脈を60分、30分、20分、15分間遮断した後再潅流とし、48時間飼育した。20分虚血ではその殆どは完全対麻痺となったが、一部に不完全対麻痺に留まる例を認めた。15分虚血にすると全例が正常に復し、対麻痺の発生を見ることはなく、本実験における至適な遮断時間は20分でることが判明した。 2.プロテアーゼインヒビターの保護効果 コントロール群では虚血前にヘパリン2mg/kgのみを投与し、投与群ではヘパリンとともにプロテアーゼの阻害剤(Calpain inhibitor-1)を10μmol/Kg虚血前に投与した。control群では、再潅流24時間後には3羽がgrade2に残り4羽が完全対麻痺となったのに対してcalpain inhibitor投与群では正常ないし軽度麻痺のgrade3が4羽残りがgrade2以下の麻痺となり有意に対麻痺の発生率の低下を認めた(p=0.018)。虚血前にプロテアーゼ阻害剤を投与する事が虚血再潅流障害の予防に大きく関与しているものと思われた。 3.Western Blootting 抗ヒト抗体を用いたWestern blottingでは、40分虚血後60分再潅流した脊髄において、150-kDのα-calspectinの分解産物のバンドが強く描出されており、細胞膜の裏打ち蛋白であるcalspectinが虚血障害により分解されていることが判明した。このことはcalpain inhibitor投与により細胞障害が軽減されることの裏付けとなった。 4.組織学的液検 正常脊髄およびcalpain inhibitor投与群では、脊髄前角の神経細胞は形態が保たれているのに対して、二時間の虚血による完全に細胞障害を起こした脊髄やcalpain inhibitor非投与群の神経細胞は、核の空包化が認められ、明らかな細胞障害の所見を呈した。
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