研究課題/領域番号 |
08671586
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
榊 三郎 愛媛大学, 医学部, 教授 (30116933)
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研究分担者 |
大田 信介 愛媛大学, 医学部・附属病院, 講師 (50194163)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | くも膜下出血 / 脳血管攣縮 / サイクリックヌクレオチド / アデニレイトサイクラーゼ / グアニレイトサイクラーゼ |
研究概要 |
実験的クモ膜下出血犬の攣縮血管を用いて、弛緩性細胞内情報伝達機構であるcyclic nuclotide量およびその産生酵素であるアデニレイト、グアニレイトサイクラーゼ活性とそれぞれの刺激薬に対する反応性を検討した。軽症攣縮血管ではcyclic nuclotide量は一旦低下するが速やかに正常値に回復するのに対して、重症脳血管攣縮脳底動脈においては有意なcyclic nuclotide量の減少が長期に認められ、14日目にも回復しなかった。さらに、重症脳血管攣縮が始まる4日目の脳底動脈を用いてisoproterenolやsodium nitroprussideに反応する反応性を検討したところ、正常脳底動脈では薬剤に反応してcyclic nuclotide量は著明に増加したが、重症攣縮血管では全く増量しなかった。そこで、cyclic nuclotide産生酵素であるアデニレイト、グアニレイトサイクラーゼ活性を攣縮血管壁平滑筋細胞を用いて電顕組織化学的に調べた。両酵素とも重症攣縮血管では正常脳底動脈に比べて活性が有意に低下していた。また、薬剤に対して正常脳底動脈では著明に活性が亢進したのに対して、攣縮血管ではその反応性も有意に低下していた。すなわち、本研究にて、重症攣縮血管では弛緩性細胞内情報伝達機構はその初期段階であるcyclic nuclotide産生の段階で障害されていることが明らかとなり、β2刺激剤、プロスタグランジンI2や一酸化窒素供給薬などのアデニレイト、グアニレイトサイクラーゼ活性刺激薬を用いた治療は重症脳血管攣縮には無効であることが判明した。
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