研究課題/領域番号 |
08671592
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
上之郷 眞木雄 (上之郷 真木雄) 長崎大学, 医学部附属病院, 講師 (40145256)
|
研究分担者 |
鬼塚 正成 長崎大学, 医学部附属病院, 助手 (00295081)
市倉 明男 長崎大学, 医学部附属病院, 助手 (90274654)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | anoxic depolarization / 脳虚血 / ischemic core / グルタミン酸 / NMDA / hypothermia / MK801 / DNQX / non-NMDA / Anoxic depolarization |
研究概要 |
高度な血流低下に伴う脳損傷を保護する目的で、ischemic coreに生じるanoxic depolarization(AD)の脳損傷発現の関与を検討し、さらに脳虚血保護について各種イオンチャンネル作働薬、体温を中心にADとの関連より検討した。 1. 常温下では15分以上ADが持続した場合高度な虚血脳損傷出現が高頻度に生じたが、20分の虚血でもADを生じなかった例では虚血脳損傷を認めなかった。 2. 常温下でAD出現の脳血流(CBF)低下閾値はコントロール値の約20%以下であり、10%以下となると全例でADが出現した。10〜20%を示す例では約半数がADをきたしたが、脳損傷出現に関してCBF値よりもADの出現有無がより高い相関を示した。 3. NMDA拮抗剤であるMK801の前投与はADの出現の血流閾値を変化することはなかったが、高度な脳損傷出現までのAD持続時間を約5分間延長した。 4. 非NMDA拮抗薬であるDNQXは、AD出現の血流値を低下させる傾向を認めた。しかし一旦ADが出現した例においては、虚血保護作用を示さなかった。前項の結果と合わせ、ADに伴うCa ion流入が脳損傷に密接に関連することが示唆された。 5. 30〜31度の低脳温とした場合、AD出現の血流値は5.0%前後と有意に低下し、低脳温が虚血に伴うグルタミン酸放出を抑制するとの過去の報告と一致するものと思われた。また血流がコントロールの5%近くまで低下してもADを生じない場合は、30分の虚血負荷においても脳損傷出現は認めなかった。 6. 低脳温における虚血負荷に際してADが出現した場合、20分の虚血には耐性を認めるも、30分虚血では高頻度に脳損傷を認めた。低脳温では虚血に伴うグルタミン酸放出、即ちAD出現の血流閾値を高める結果、脳保護作用を示ことが本検討で示唆された。
|