研究課題/領域番号 |
08671617
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
|
研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
藤本 司 昭和大学, 医学部, 教授 (60014180)
|
研究分担者 |
浅井 潤一郎 昭和大学, 医学部, 講師 (10151010)
鈴木 龍太 昭和大学, 医学部, 助教授 (10119216)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1996年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | ischemic cerebrovasc.lesion / cerebral infarction / meningeal artery / indirect vascular reconstruction / angiogenesis / vascular dementia / vascular groroth factor / VEGF / 虚血性脳血管障害 / 間接的血行再建術 / 硬膜血管 / 脳梗塞 / 血管性痴呆 / 血管増殖因子 / 血管新生 / 硬膜 |
研究概要 |
私達は、もやもや病あるいは動脈硬化性血管狭窄・閉塞による虚血性脳血管障害に対し、脳硬膜血管から虚血脳へ豊富な新生血管をもたらす、極めて手術侵襲の少ない有効な間接的血行再建術を開発し、症例を重ねてきた。この検討により、手術適応として、(1)臨床症状は比較的小さな脳卒中発作。(2)梗塞巣は小、中程度で萎縮はわずかのみ。(3)SPECTで脳血流がMRIで認め得る梗塞巣よりより広範囲で低下している。(4)Diamox負荷で血管反応性の低下が認められる。(5)年齢は60才台まで、の症例に行えば、豊富な新生血管を得ることが出来、臨床症状の改善、血行動態の改善、梗塞巣拡大の予防効果があることを明らかにした。またこの方法を“虚血性脳血管障害の予防・治療法"としてより理想的な方法にするために、血管新生の機序およびその発生形態を明らかにすべく動物実験を行った。ラットを用い経眼窩的に一側中大脳動脈を閉塞する脳虚血モデルを作成し、虚血脳における種々の増殖因子の発現の様子をその分布と経時的変化(3HからIMまで)とを明らかにした。VEGF、bFGF、TGFβはともに発現が認められ、特に梗塞巣辺縁部で強く見られた。VEGFは1W後に最も増加していた。さらに中大脳動脈領域に一致した脳硬膜を露出させ、切開線を作成し、3W後に硬膜と脳組織の関係を保ったまま組織を検討したところ、虚血巣の周辺部で脳表面近くに血管の増加を認めた。これらの結果から、虚血脳では梗塞巣の周辺部を中心に種々の増殖因子が発現しており、梗塞巣に近い硬膜の損傷部からの血管新生と思われた。さらにその詳細を明らかにし、より豊富な有効な新生血管を得る条件を明らかにし、臨床応用可能な手術方法を完成させたい。これらの研究成果は第11回国際脳神経外科学会総会、第5回日本血管細胞生物学研究会、モヤモヤ病国際シンポジウム、昭和大学共同研究成果発表会で報告した。
|