研究課題/領域番号 |
08671618
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
|
研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
大井 静雄 東海大学, 医学部, 助教授 (30194062)
|
研究分担者 |
津金 隆一 東海大学, 医学部, 教授 (70022902)
篠田 正樹 東海大学, 医学部, 講師 (70196393)
松前 光紀 東海大学, 医学部, 講師 (20209604)
日高 充 東海大学, 医学部, 助手 (90256123)
竹井 太 東海大学, 医学部, 講師 (00216839)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1998年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1997年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 髄液循環動態 / 頭蓋内圧動態 / 水頭症 / LOVA / 神経内視鏡 / 第3脳室開放術 / Cine MRI / NPH / Neuroendoscope / 頭蓋内圧 / 脳腫瘍 / 脳室開放術 / 髄液循環 / 神経内視鏡手術 |
研究概要 |
Neuroendoscopic procedure(神経内視鏡手技)の適応疾患・病態のうち、水頭症はその適応が最も積極的に考慮される病態であるといえる。私共は、本科学研究費の援助を受けその病態生理学的分析としてendoscopic intraventricular/cisternal/subdural morphological analysis、endoscopic analysis of CSF dynamics/pressure monitoringなどの手技を積極的に応用してきた.分析の対象とした水頭症病態には、非交通性水頭症各型として、1.モンロー孔の閉塞:IQV(Isolated quarto ventriculomegaly)、IUH(Isolated unilateral hydrocephalus)、2.中脳水道の閉塞(Aqueductal stenosis):LOVA(Long-standing Overt Ventriculomegaly in Adult)、脳腫瘍(Pineal Region Tumors/Tectal Tumors/Posterior Fossa Tumors)、DS(Dorsal sac)等の奇形病変、3.第4脳室の出口(outlet:ルシュカ孔・マジャンディー孔)の閉塞:DLFV(Disproportionately large fourth ventricle)、HNCD(Holo-neural cannal dilatation):IFV(Isolated Fourth Ventricle)、IRCV(Isolated Rhombencephalic Ventricle)、ICCD(Isolated Central Canal Dilatation)そして、4.脳室・脳実質内の隔壁形成としてLV(Loculated Ventricle)、ISH(Interstitial Hydrocephalus)、等が含まれる。又、交通性水頭症例では外水頭症(EH)、硬膜下水腫(SDH)等が対象となった。本研究の研究実績においては、水頭症病態における病態生理の分析には神経内視鏡を通して導入したマイクロセンサーによる局所頭蓋内圧測定の応用が有用であることが強調された。特にisolated compartmentの各型において、独立した頭蓋内圧動態が示され、又、脳室開放術後の脳室内圧の正常化等、髄液循環の動的評価やその所見と対比させた頭蓋内圧測定などの病態生理学的分析は、今後さらに発展が期待できる。 水頭症病態の特殊型としては、研究者らが提唱してきたlong-standing overt ventriculomegaly(LOVA)やhydrocephalic dementia(HD),TrueNPH等の成人の原発性水頭症が数多く集積され、それぞれにおいて知見を得た。 LOVAの症例の総括では、20症例を集積し、それらの頭蓋内圧動態は著しい高圧性で、極めて高率に第3脳室の局所圧動態がトルコ鞍等頭蓋底を破壊するものであった。神経内視鏡下手術により脳底槽との交通性が確立すると同時に、脳室内の圧動態は正常化するが、術後にも大きな脈圧が持続する現象が観察された。この現象は、短絡管設置による頭蓋内圧の低下と脳室内脈圧の抹殺という従来の治療様式とは性格を異にするものであり、短絡管術後合併症の回避の基本理念を示したものと捉えられる。さらに、本研究では、Cardiac-gated cine-mode MRIにてこれらの現象を数量的に分析することにも成功している。 本研究課題の3年間の総括的成果には、1)神経内視鏡の基礎動物実験学的応用(experimental animal neuroendoscopy)、2)水頭症特殊病態における髄液循環動態(CSF hydrodynamics)及び頭蓋内圧の局所圧動態(local fine ICP dynamics)の解析、さらにこれらに基づいて 3)新たな水頭症病態の提唱(LOVA,True NPH,Hydrocephalic Dementia)と 4)神経内視鏡手術の適応とその手技の確立等があげられる.
|