研究課題/領域番号 |
08671627
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
関 淳二 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室長 (20163082)
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研究分担者 |
高見沢 計一 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室員 (10163312)
松田 武久 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 部長 (60142189)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 脳軟膜細動脈 / レーザドップラ流速計 / 拍動振幅 / 血管内圧 / 一酸化窒素 / 壁ずり応力 / 血管壁弾性 / 頭蓋内圧 / Transmural Pressure / モデル解析 |
研究概要 |
本研究では、微小循環計測のために我々が開発したレーザドップラ流速計システムを用いて、ラット脳軟膜の単一微小血管における血流速度を定量化し、脳微小血管ネットワークにおける血流動態を明らかにすることを目的とする。頭蓋内圧上昇に伴う血流動態の変化、血流速度の動静脈分布に及ぼすNOの関与について以下のような結果が得られた。 ラット脳軟膜上に閉窓を作成し、この内圧を制御することにより頭蓋内圧を0-50mmHgの範囲で変化させ、これに伴う各微小血管内の血流変化、血流変化を光ファイバ型レーザ流速計顕微鏡を用いて観察測定した。細動脈における血流速度は心拍と同期して拍動し、この振幅は5mmHgにおいて24±9%、50mmHgで40±11%と頭蓋内圧と共に増大した。個々の細動脈においては頭蓋内圧がある闘値を越えると振幅が急増し、頭蓋内圧の闘値値は20-40mmHgであった。この現象のメカニズムを探るため、血管壁の弾性特性と細動脈ネットワーク内の流れをモデル化し解析を行った。この結果、血管の内外圧差が正から負へ変化する際に血管壁の弾性係数が1/3-1/5程度に現象すると仮定すれば実験結果を再現できた。これは、血圧計測治にカフ圧を血圧程度に増大させた場合、カフ下流の血流が最大拍動を示すことと同様な現象であることが分かった。 一酸化窒素(NO)は強力な血管弛緩作用を示すこと、血流から受ける剪断応力によって血管内皮がNOを放出することから、NOは血流調節に重要な役割を果たしていると考えられている。そこでNOの供与剤であるSNPをラト大腿静脈より静注し、直径20から60μmの脳軟膜微小血管の血流速度を計測し血流速度及び壁ずり速度分布を求めた。SNP投与によって細動脈血管径、平均血流速度は共に14%程度増大する結果が得られたが、両者が同程度増大したため壁ずり速度には有意な変化は見られなかった。
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