研究概要 |
1本研究では骨髄中骨原細胞の分化,増殖機能および骨形成能を検討した.ヒト腸骨骨髄より穿刺・採取した骨髄細胞中骨原細胞をin viroで培養した。この細胞は培養と共にコロニー(CFU-F)を形成し,このうちアルカリフォスターゼ活性、石灰化などの骨芽細胞の形質を発現する骨原細胞と考えられた。各年代のヒト,75例より骨髄細胞を採取・培養し、アルカリフォスファターゼ陽性CFU-F細胞数,活性を検討した。骨原細胞(アルカリフォスファターゼ陽性CFU-F)の数は18歳までは非常に多数存在するが,18歳以降,急速にその数は減少し、以後加齢と共に緩やかに減少することが明らかとなった.このことは骨格の成長時期である10歳代での旺盛な骨形性能を説明するものと思われ,また高齢者においても骨形成能が保たれていることを示すものであると考えられた.と関連するものと考えられた。 2骨原細胞の骨形性能を高めるためBMP-2の効果を検討した。BMP-2はヒト腸骨より分離・培養したCFU-F細胞のアルカリフォスファターゼ活性を高めた。また人骨髄中骨原細胞がBMP-2を発現する事PCRで確認された.このことは、骨原細胞が自らBMP-2を発現し,オートクライン,パラクラインとして骨原細胞の分化に影響を与えている可能性をしさするものである.BMP-2は有力な分化促進因子として応用できうる可能性が考えられた。
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