研究課題/領域番号 |
08671651
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
|
研究機関 | 愛知医科大学 (1997-1998) 名古屋大学 (1996) |
研究代表者 |
佐藤 啓二 愛知医科大学, 医学部, 教授 (20178726)
|
研究分担者 |
片桐 浩久 名古屋大学, 医学部, 医員
伊藤 隆安 名古屋大学, 医学部, 医員
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1997年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 温度処理骨 / 骨癒合 / 骨同化 / MRI / 強度試験 / 骨密度 / 骨強度 / 骨改変 / 温度処理自家骨 |
研究概要 |
実験1:ビーグル犬を用い、1カ月より5カ月まで1カ月おき、1年、1年半、2年を検討時期とした。脛骨内側を長さ3cm切断し、右は温度処理後に(温度処理骨)、左は切断後未処理のまま元に戻し(新鮮自家骨)ポリL乳酸ピンにて固定後、X線写真、MRI、DEXAによる骨密度測定、3点曲げ試験による強度測定、組織学的検討を行なった。 実験1結果:画像では左右差を認めず、温度処理骨は新鮮自家骨を同時期に骨癒合をするとともに、MRIでの信号変化も同様であった。組織学的には骨内への血管や骨芽細胞の侵入の程度に差を認め、温度処理骨では遅れる傾向であった。骨密度については2カ月以降新鮮自家骨は温度処理骨に比較して有意に減少し、骨強度についても新鮮自家骨は早期に低下し術後6ヶ月で最低となり、術後1年以内に元の強度になった。一方温度処理骨は1年間は強度が殆ど低下せず、1年半で最低となり、2年で元の強度に回復した。 実験2:ラット骨髄細胞を培養し、骨芽細胞様細胞を分離した。ラットの長管骨より調整した温度処理骨・新鮮自家骨、120度処理骨を0.01〜0.5mmに粉砕し、これをばらまいた上で骨芽細胞様細胞を培養し、培養後3日5日7日の培養上清を採取し、1型コラーゲン産生量とオステオカルシン産生量を定量した。骨を入れないものをコントロールとした。 実験2結果:120度処理骨は、70度処理骨や新鮮自家骨と比較して3日5日7日ともオステオカルシン(P<0.0001)1型コラーゲン産生量(P<0.0002)は有意に高いことがわかった。120度処理骨に暴露された骨芽細胞様細胞が産生するオステオカルシン量は徐々に減少する傾向を示したのに比して、1型コラーゲン産生量は逆に増加する傾向を示した。これは120度処理骨という非生理的な骨に暴露された骨芽細胞様細胞は、まず細胞分化をし、オステオカルシンを産生すると共に1型コラーゲンを産生して、自ら環境をなじみやすいものにしたと考えられる。一方70度処理骨や新鮮自家骨に暴露された骨芽細胞様細胞は、自然な環境の中で培養されている為、細胞分化を強制されることなく、オステオカルシンや1型コラーゲン産生量は低いままであったと考えられる。
|