研究課題/領域番号 |
08671653
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
平田 仁 三重大学, 医学部・附属病院, 講師 (80173243)
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研究分担者 |
樋廻 博重 三重大学, 医学部, 教授 (60024642)
浦和 真佐夫 三重大学, 医学部, 助手 (60273356)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | シュワン細胞 / 人工神経 / 細胞外基質 / 細胞死 / 軸索再生 / 軸索内輸送 / ポリアミン / 神経延長 / 末梢神経 / 組織延長 / BDNF / Trk B / 細胞培養 |
研究概要 |
シュワン細胞は中枢、抹消を問わず損傷軸索の再生を促すことが知られている。そこで、抹消神経損傷のみならず、現時点では外科的治療が困難とされている中枢神経損傷に対しても使用可能な培養シュワン細胞を用いた人工神経の開発に取り組んできた。平成6から7年度にかけてはシュワン細胞の増殖が正常の15倍以上にも活性化されるシリコンチャンバーモデル及びワーラー変性に陥った神経幹の延長モデルを用いてin vivoでのシュワン細胞の増殖機構に関して研究を行ってきた(一般研究(c)課題番号06807116)。その結果、ポリアミンがシュワン細胞の増殖に重要な役割を担うこと、また神経延長法によりシュワン細胞の増殖を活性化させてもその軸索誘導能には影響しないことを確認し、これを報告している。今回は、これらの研究の結果を踏まえてシュワン細胞の大量培養法を確立し、また、ワーラー変性に伴い見られるシュワン幹形成のメカニズムを研究した。ワーラー変性の発生機序に関しては神経幹圧挫モデルを用いた実験を行い、軸索内輸送系の損傷だけではワーラー変性を生ずることがないことを明らかにした。また、神経幹延長モデルにおいてはワーラー変性に陥った神経幹の延長に伴うシュワン細胞の増殖活性の亢進は一過性であり、シュワン細胞の増殖は経時的に低下してしまう事、この際にはポリアミン合成能の低下を伴うことを確認し、報告した。シリコンチャンバーモデルにおいてはシュワン幹形成を制御する機構を探り、シュワン細胞の遊走にはフィブロネクチン臥、また、シュワン幹の形成にはラミニンが重要な働きをすることを明らかにした。培養系においてはシュワン細胞をワーラー変性に陥った神経から採取し、また、細胞外基質とシュワン細胞の接着に作用するnonintegrin recepterを阻害することで効率よく繊維芽細胞を除去し、大量に高純度のシュワン細胞を成獣の抹消神経より培養する事に成功した。これらの結果は国内外で発表をし、現在国際誌に投稿中である。また、シュワン細胞の脂質代謝及びその細胞死への影響、シュワン細胞による軸索再生誘導機序に関しても多くの知見が得られてきており、国内外の学会において発表を予定している。また、現在培養シュワン細胞をもちいた人工神経を作成し、実用化に向けて取り組んでいる。
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