研究課題/領域番号 |
08671708
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
緒方 甫 産業医科大学, 医学部, 教授 (70122843)
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研究分担者 |
田島 文博 産業医科大学, 医学部, 講師 (00227076)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | Muscle sympathetic nerve activity / Cold pressor test / Cereberovascular accident / Reflex sympathetic dystrophy / Hemiplegia |
研究概要 |
脳血管障害者から筋交感神経活動の測定を行うために、システムの構築を行った。その結果、脳血管障害者から筋交感神経活動を測定することが可能となった。まず、第一の目的を達成するために、脳血管障害者6名を対象にして安静時の交感神経活動を麻痺側と非麻痺側の腓骨神経から微小電極を用い、直接測定した。その結果、筋交感神経活動は麻痺側(73±14beats/100HR)と非麻痺側(70±15beats/100HR)の間には差を認めなかった。次に健常者と比較するために、脳血管障害者10名と健常者9名から測定した結果、脳血管障害者(64±16beats/100HR)は、健常者(37±14beats/100HR)より有意に(P<0.05)高い値を示した。したがって、安静時における筋交感神経活動は脳血管障害者において有意な亢進を認めたが、その亢進は両側性であり、臨床的に片側に認めるRSDの出現を説明することは極めて困難であるといえた。引き続き、第二の目的のために、ホットバックによる交感神経活動の変化を観察したが、麻痺側の上肢から筋交感神経活動を測定しつつホットバックを適応することは技術的に極めて困難なことが判明した。そのため、麻痺側腓骨神経から筋交感神経を測定しつつ健常側を氷水に浸し、交感神経活動の変化を観察したところ、健常者では134±24%も増加したのに対し、脳血管障害者群では59±13%しか増加しなかった。以上より、本研究により、脳血管障害者では両側性の筋交感神経活動の亢進を認め、かつ、温熱受容器からの刺激による交感神経活動の反応の障害が存在する事が判明した。本研究の目的はほぼ達成されたが、今後も、病態生理解明のための筋交感神経活動の測定が重要な手段であると考えられる。
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