研究課題/領域番号 |
08671710
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岡村 篤 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (40250443)
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研究分担者 |
真弓 享久 北海道大学, 医学部, 助教授 (90231604)
太田 善博 北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (00142802)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ラット / 内因性鎮痛系 / カテコラミン / ヒスタミン / PC12細胞 / α2アドレナリン受容体 / 大縫線核 / 脳幹・脊髄 |
研究概要 |
中枢神経系内に新たな内因性鎮痛系を形成することを目的として、カテコラミン分泌細胞(PC12)の脳室内移植実験を行い、疼痛閾値に対する影響を解析した。さらに、内因性鎮痛系の主要な神経核の一つである大縫線核(RM)神経細胞におけるカテコラミン受容体の役割、および脳幹-脊髄標本における疼痛伝達機構について研究を進めた。 1.移植実験:PC12細胞をNEDHラットから分離、培養し、正常ラットの側脳室内に移植した。移植細胞は1〜2週間後には片側側脳室内を埋める組織塊として生着していた。脳組織におけるカテコラミンレベルは正常ラットと比較して移植ラットで有意に高値であった。疼痛反応(尾部痛み刺激による体動)の抑制率は、吸入麻酔薬濃度(MAC)を指標とした実験では、移植ラットで高い傾向が認められた。この傾向は移植後2から4週間持続するが、その後、対照ラットと明らかな差は認められなくなった。以上のことから、PC12細胞の脳内移植により脳内カテコラミンレベルが一定期間上昇し、鎮痛効果が発現する可能性が示唆された。 2.脳幹スライス標本:RM細胞の活動性に対するα2アドレナリン受容体作動薬であるクロニジンは一部の大縫線核細胞の自発発射活動を増加(33%)、減少(10%)、あるいは増減(13%)させた。また、α2受容体拮抗薬のヨヒンビンはRM細胞の発射活動を抑制(62%)した。このことからα2受容体は内因性鎮痛系に影響することが示唆された。 3.新生ラット遊離脊髄/脳幹-脊髄標本:脊髄標本における脊髄側索の電気刺激実験から脊髄内抑制系が疼痛反応を抑制することが示唆された。また、脊髄および脳幹におけるヒスタミン受容体は疼痛伝達を様々に修飾することが示唆された。これにはH1、H2およびH3受容体が複雑に関与していることが示唆された。
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