研究課題/領域番号 |
08671715
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
山本 達郎 千葉大学, 医学部・付属病院, 講師 (20200818)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1997年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 脊髄 / シクロオキシゲナーゼ / プロスタグランジン / フォルマリンテスト / カラゲニンテスト / 侵害刺激 / シクロオモシゲナーゼ-2 / Cyclooxygenase-2 |
研究概要 |
Cyclooxygenase-2(COX-2)inhibitorとしてNS398を用いて、NS398をラット髄腔内投与することにより、COX-2の脊髄侵害刺激伝達における役割を検討した。痛みの動物実験モデルとしては、以下の2種類の炎症性疼痛モデルを用いた。1)ラット後肢へフォルマリンを投与し、痛みの行動を検討するフォルマリンテスト、および2)ラット後肢へカラゲニンを皮下注し、熱刺激に対して過敏な状態(thermal hyperalgesia)を作るカラゲニンテストの2種類を用いた。 フォルマリンテストでは、NS398をフォルマリン皮下注10分前に髄腔内投与すると、投与量依存性に痛みの行動を強く抑制した。しかしながら、フォルマリン皮下注7分後にNS398を髄腔内投与しても、痛みの行動に対して効果がなかった。これらの効果は、COX-1・COX-2のnon-selective inhibitor であるindomethacinを髄腔内投与した際と同程度のものであった。カラゲニンテストでは、カラゲニン皮下注後2時間で、十分なthermal hyperalgesiaの状態となった時点でNS398を髄腔内投与したところ、投与量依存性にthermal hyperalgesiaの程度が抑制された。NS398髄腔内投与により、52.5℃ホットプレートテストにおける潜時には影響しなかった。 以上の結果より、COX-2により産出されるprostaglandinが、炎症性疼痛時の脊髄侵害刺激伝達に重要な役割を果たしていることが示唆された。生理的な状態では、COX-2により産出されるprostaglandinは多くの役割を果たしていない。また、脊髄におけるCOX-1によるprostaglandin産生は、侵害刺激伝達に関与していないことが示唆された。
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