研究課題/領域番号 |
08671723
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
芝本 利重 信州大学, 医学部, 助教授 (90178921)
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研究分担者 |
羽二生 久夫 信州大学, 医学部, 助手 (30252050)
宮原 隆成 信州大学, 医学部, 助手 (70281037)
小山 省三 信州大学, 医学部, 教授 (00115346)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 摘出潅流肝 / 肝毛細管圧 / 肝血行動態 / 血管閉塞法 / 門脈圧 / 肝循環 / 肝血液量 / 肝動脈圧 |
研究概要 |
我々は新たな肝毛細管圧の測定法の確立を目標としてきた。すなわち、肝動脈と門脈の両方から潅流する肝潅流標本を確立し、血管閉塞法により測定したTriple occlusion pressure(Pto)が肝毛細管圧を反映するかをsogravimetric法による肝毛細管圧(Pci)と比較した。さらにこのTriple occlusion法を用いて血管作動性物質の肝血行動態に及ぼす作用を検討した。 その結果、このPtoとPciは非常によく相関し、Pto=-0.02+0.98Pci;r=0.83,P=0.0018。さらにこの相関直線の傾きは1.00と有意差はなく、かつまたその切片は0.00とも有意差はなく、完全に両者は一致することを示した。Ptoは4.4mmHgから5.9mmHgに及んでいた。血管作動性物質の検討ではPtoより肝毛細管圧を測定し、肝血管抵抗を門脈抵抗、肝動脈抵抗さらに後毛細血管抵抗である肝静脈抵抗に分けて検討した。ヒスタミンは容量依存性に門脈抵抗と肝静脈抵抗を増加させたが、肝静脈抵抗の増加が有意に大であった。また、肝動脈抵抗の変化は認められなかった。肝流出側抵抗の増大に伴って肝重量は増加し鬱血を来した。一方、ノルエピネフリンは肝動脈抵抗及び門脈抵抗の増加が肝静脈抵抗の増加に比べて著明であり、前毛細血管を優位に収縮させた。肝重量は流入側の血管抵抗の増大により減少した。また、アセチルコリンと血小板活性化因子は門脈と肝静脈の抵抗を同程度に増加させた。その結果、肝重量はアセチルコリンでは有意な変化を示さなかった。 以上の結果から摘出潅流肝臓においてTriple occlusion法により肝毛細管圧が測定でき、本法により種々の血管作動性物質は肝臓内血管収縮部位が異なることが判明した。
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