研究分担者 |
中島 研 山口大学, 医学部・附属病院, 助手 (00243668)
副島 由行 山口大学, 医学部・附属病院, 助手 (20206676)
井上 裕二 山口大学, 医学部・附属病院, 助教授 (80213180)
定光 大海 山口大学, 医学部, 助教授 (10187164)
前川 剛志 山口大学, 医学部, 教授 (60034972)
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研究概要 |
■クモ膜下出血患者5例を対象に,脳低温療法(内頸静脈球部血液温:33〜34℃)を施行した. ■脳循環,生理機能評価 経頭蓋超音波ドプラー法では,全症例で中大脳動脈平均血流速度が増大した(166±29cm/sec,mean±SD,以下同様),脳低温療法導入により脳波は徐波化(δ〜θ波),聴覚誘発脳波は潜時が延長し,復温によりいずれも正常化した. 近赤外線分光法による測定では,体温と酸化および総ヘモグロビンとの間に正の相関関係がみられた.各症例で得られた体温変化(ΔBT)と総ヘモグロビン変化(ΔtHb)の間には正の相関がみられた(ΔtHb=4.2×ΔBT+3.6;r^2=0.72). ■脳生化学的評価 高速液体クロマトグラフィーによる髄液中の興奮性アミノ酸(EAA),すなわちグルタミン酸(GLU),アスパラギン酸(ASP)の測定では,脳低温療法導入前のEAAはともに対照群(GLU/ASP:16±0.7/0.6±0.5μmol/L)に比して有意に高値(11.4±8.7/3.1±2.3)を示したが,脳低温療法導入によりいずれも低下した(2.2±1.1/1.3±0.8). キャピラリー電気泳動法による髄液中の窒素酸化物(NO2+NO3)測定では,脳低温療法導入前は,対照値の(0.36±0.10μmol/L)に比べて有意に高く,脳低温療法導入後も高値が持続した(0.54±0.17→0.57±0.14). ■オンライン・ネットワークモニタリング 今回の研究により,各種モニタ機器のオンラインデータ収集,ネットワーク接続の基盤が得られたが,ネットワーク転送速度とコンピュータ処理速度の限界から,複数のモニタリング項目を統合したリアルタイム評価は実用レベルには至らなかった.これらの点をふまえて,脳低温療法における"オンライン・ネットワークモニタリングシステム"環境の構築を進めていく予定である.
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