研究概要 |
レセプター型チロシンキナーゼ(RTK)のサブファミリーであるEph-related RTKのなかで,その生理機能がまだ殆ど分かっていないEhk-2とEhk-3について,RT-PCR法によりcDNAを合成した。これらcDNAを用い,digoxigeninでラベルしたRNAプローブを作成した。さらにこれらのRNAプローブを用いて,ラット(成熟および胎生期)の中枢神経系における発現をin situ hybridizationにより検討している。またそれらの発現が脳虚血によりどのように変化するかを調べている。 Ephファミリーに属するSek,Mek-4のリガンドであるELF-1,ELF-2を,浸透圧ミニポンプを用いてラット脳室内に投与し,脳虚血に対する保護効果の有無を検討している。 脳虚血の病態をさらに詳しく解明するために,上記の分子生物学的研究に加えて,マイクロダイアリーシスを利用して,カテコラミン,グルタミン酸,一酸化窒素の脳虚血における動態を研究している。また,過酸化物の神経障害に注目し,そのスキャベンジャー酵素であるグルタチオンペルオキシダーゼ,スーパーオキサイドディスムターゼ,カタラーゼを脳室内に投与したときの脳保護効果についても検討している。
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