研究課題/領域番号 |
08671764
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
伊良波 浩 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (30193692)
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研究分担者 |
畑埜 義雄 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (70115913)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 一酸化窒素 / 輝発性麻酔薬 / 血管弛緩 / フォスフォリパーゼ / G蛋白 / 揮発性麻酔薬 / 血管弛緩反応 |
研究概要 |
本研究はbasal released EDRF惹起性弛緩機構に関与するphospholipase A2とその酵素活性を調節するG蛋白およびアラキドン酸代謝に注目し、そのEDRF合成に関与する役割を明らかにすること及びその機序に対する揮発性麻酔薬の作用を明らかにすることを目的として行ったものである。 検証の結果、カルモジュリン阻害薬存在下ではphospholipase A2刺激によるEDRF生成が有意に増加した結果より、内皮細胞内でのEDRF生成にはカルシウム-カルモジュリン依存性NO合成酵素だけではなく、カルシウム-カルモジュリン非依存性NO合成酵素も担当していることが強く示唆された。phospholipase A2に連動するG蛋白刺激を介して、間接的にphospholipase A2刺激を行い観察した結果も同様であった。以上から、直接および共役G蛋白刺激によるphospholipase A2活性化にて生じるEDRF生成にはカルシウム-カルモジュリン非依存性NO合成酵素が関与することが明らかになった。 また、揮発性麻酔薬(ハロタン、イソフルラン、セボフルラン)のphospholipase A2活性化にて生じるEDRF生成に対する影響を検証した結果、ハロタンのみが抑制作用を有することが明らかになった。この知見は、同じ揮発性麻酔薬においてもphospholipase A2を介する細胞内シグナル伝達機構に及ぼす影響に差があることを強く示唆している。 この度の研究は二つの薬理学的新事実、即ちphospholipase A2を介するEDRF生成機序と揮発性麻酔薬の新しい作用機転を提供したことになる。これらの知見は近日中に薬理学関連雑誌に報告する予定になっている。
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