研究課題/領域番号 |
08671782
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
井上 義崇 産業医科大学, 医学部, 助手 (60279346)
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研究分担者 |
重松 昭生 産業医科大学, 医学部, 教授 (30037428)
山下 博 産業医科大学, 医学部, 教授 (00030841)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 神経内分泌 / バゾプレッシン / 静脈麻酔薬 / PACAP / プロポフォール / サイアミラル / GABA / Ca^<2+>電流 |
研究概要 |
1.ラット視床下部視策上核のバゾプレッシン産生細胞(神経内分泌細胞)を含むスライス標本の灌流実験系を用いて、ラジオイムノアッセイ法による灌流液のバゾプレッシンの定量を行い、次の知見が得られた。 (1)新しい神経ペプチドとして注目されているPACAP(Pituitary Adenilate Cycrase Activating Polipeptid)が、バゾプレッシンの分泌を促進していることが示された。 (2)静脈麻酔薬であるプロポフォールとサイアミラルが、KC1刺激によるバゾプレッシン分泌を抑制し濃度依存性に抑制することが示された。 (3)脳内抑制性神経伝達物質であるGABA(γ-amino butilic acid)を外因性に与えると、プロポフォールやサイアミラルと同様に濃度依存性に、KC1刺激によるバゾプレッシン分泌を抑制することが示された。 2.1.の実験で得られたバゾプレッシン分泌に対する抑制効果のメカニズムを検討するために、ラット視床下部視策上核から酵素処理により神経内分泌巨細胞を単離し、fura-2による細胞内Ca濃度の測定と、パッチクランプ法による電気生理学的検討を行い以下の結果を得た。 (1)PACAPが神経内分泌巨細胞の細胞内Ca濃度を用量依存的に上昇させることが示された。 (2)プロポフォールとサイアミラルは臨床濃度でGABAによるCl^-電流を相乗的に増強することが示された。 (3)プロポフォールとサイアミラルは電位依存性のCa^<2+>電流を濃度依存性に抑制することが示された。 今年度の結果より、これらの実験系は単に静脈麻酔薬プロポフォールとサイアミラルのバゾプレッシン分泌に対する影響だけにとどまらず、中枢神経細胞に対する麻酔薬の作用機序の検討へと展開され得ることが示された。今後中枢神経細胞への麻酔薬の作用機序を中心に研究を進めていきたい。
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