研究課題/領域番号 |
08671812
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
筧 善行 京都大学, 医学研究科, 講師 (20214273)
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研究分担者 |
奥野 博 京都大学, 医学研究科, 助手 (90263079)
岡田 裕作 京都大学, 医学研究科, 助教授 (20127062)
吉田 修 京都大学, 医学研究科, 教授 (70025584)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1996年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 排尿反射 / イオンチャンネル / 可塑性 / 神経伝達物質 / 一酸化窒素 / 膀胱知覚路 / ホールセルパッチクランプ法 / 神経成長因子 / イオンチャネル / ホールセルパッチクランプ / 膀胱運動路 |
研究概要 |
(1)雌性成熟ラットを用いて、膀胱壁内に蛍光色素(ファストブルー)を注入し、膀胱を支配する後根神経筋内の一次求心性神経細胞ならびに骨盤神経節内の遠心神経細胞を逆行性軸索輸送によって標識した。そして、トリプシンを含む酵素液を用いて単一細胞に分離したのち、蛍光顕微鏡下に膀胱由来の知覚細胞ならびの自律神経細胞を特異的に識別した。 (2)微小ガラス管電極を用いたホールセルパッチクランプ法によって単離細胞の電気的活動を記録し、膀胱由来の知覚神経細胞および自律神経細胞に対して、下部尿路機能の神経伝達物質として注目されている一酸化窒素(Nitric oxide,NO)を投与し、その効果を検討した。NOのドナーであるSNAPを投与すると、膀胱由来の知覚細胞のカルシウムチャネルを介する電流が抑制された(抑制率約30%)。またこのNOを介する抑制効果は、NO依存性のguanylate cyclaseの阻害薬であるODQの前投与によって阻害され、逆にcyclic-GMPの投与はNOと同様の抑制効果を示した。これらの結果は、NOがcyclic-GMPの産生を介して、膀胱知覚路に対して抑制的に作用していることを示している(これらの結果は、平成9年度の第27回米国神経科学学会において発表した)。 (3)ホールセルパッチクランプ法によって膀胱由来の知覚神経細胞および自律神経細胞に対して、神経成長因子(NGF)の効果を検討した。NGFを膀胱知覚神経細胞に投与したところ、NOとは逆に、カルシウムチャネルを介する電流の可逆性の増強が見られた(増強率約30%)。また、NGFによるカルシウム電流の増強効果は、TTX非感受性ナトリウム電流を有する無髄C型知覚細胞に特異的に観察され、神経成長因子が、膀胱知覚路の興奮性の制御および排尿反射亢進の発現に関連していることが示された。
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