研究課題/領域番号 |
08671907
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
楢原 久司 大分医科大学, 医学部, 助教授 (60211447)
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研究分担者 |
松井 尚彦 大分医科大学, 医学部, 助手 (00264341)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 血小板活性化因子 / 陣痛発来 / 早産 / 脱落膜 / マクロファージ / サイトカイン / エストロゲン / エンドトキシン / プロゲステロン / 分娩発来 / プロテインキナーゼC / エンドセリン |
研究概要 |
血小板活性化因子(platelet-activating factor:PAF)の陣痛発来、早産における役割を明らかにするため、脱落膜マクロファージから分泌されるPAF不活性化酵素(PAF-acetylhydrolase:PAF-AH)の産生調節因子とその作用について検討した。陣痛発来前の帝王切開時の胎盤より脱落膜組織を分離した。細切りした組織をコラナーゼ、ヒアルロニダーゼ処理後、フィコール比重遠心法を用いて、細胞浮遊液を得た。この細胞を10%牛胎児血清添加の培地(IMDM)にて、種々の濃度の添加物質または中和抗体・アンタゴニストの存在下に37℃、5% CO2-95% airのもとで培養した。添加物としては、PAF、エンドトキシンであるLPS、IL-1β、TNF-α、IL-6、IL-8、IFN-γ、M-CSF等のサイトカイン、エンドセリン、エストロゲン、プロゲステロンを用いた。培養上清中のPAF-AH活性は、Miwaらの方法を用いて測定した。PAF、LPS、IL-1β、TNF-α、IL-6、IL-8、IFN-γ、エンドセリン、エストロゲンは、すべて濃度依存性に脱落膜マクロファージからのPAF-AHの分泌を抑制した。PAF、サイトカイン、エンドセリンの抑制効果は、PAF受容体拮抗物質(CV2068)および対応する抗体によりそれぞれ特異的に阻止された。一方、M-CSF、プロゲステロンは脱落膜マクロファージからのPAF-AHの分泌を濃度依存性に促進した。プロゲステロンはエストロゲンの抑制作用に対し部分的に拮抗した。以上のことから、陣痛発来や早産に関わっているとされる種々の上記の生理活性物質は、脱落膜マクロファージからのPAF-AHの分泌、ひいてはPAFの濃度を調節し、PAFの持つプロスタグランジンE_2産生促進作用や子宮筋収縮作用を制御し、陣痛の発来に際し、母児間の局所においてPAFを介するネットワークを構築していることが示唆された。
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