研究課題/領域番号 |
08671929
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
久慈 直昭 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80169987)
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研究分担者 |
花房 秀次 東京荻窪血友病センター, 血液科, 研究職
小林 俊文 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (30051460)
岩橋 和裕 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90265877)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ヒト免疫不全ウィルス / 精液 / 精子 / Polymerase chain reaction |
研究概要 |
以下の精液検体はすべてinformed consentを得た上で、患者よりボランティアベースで提供をうけた。HIV virus遺伝子定量は、我々の開発したcompetitive-nested PCR法により行った。 1.(HIV感染男性精液所見・精液中HIV遺伝子量と病期・治療との相関) HIV感染各病期における精子濃度・運動率の検討、および血中・精液中遺伝子量の定量をおこなった。HIV感染男性5症例(Asymptomatic Carrier2例、AIDS-Related Complex1例、AIDS発症例2例)のうち4症例で精子濃度または運動率に異常を認め、病期の進行に伴って精液所見は悪化する傾向がみられ、とくにAIDS発症の症例では射出精液中全く精子を認めなかった。精液中のDNAとRNAを含む総遺伝子量は、感染初期の無症候性患者においては血中の約1/10であった。病期が進行してAIDSを発症すると、血中、精液中ともvirus遺伝子量は増加した。分離各分画の遺伝子量の比較から、これらの患者では主として精液中の精子以外の成分、すなわち単核球や精漿に存在するvirus遺伝子が増加していると考えられた。 2.(HIV感染者精液中のHIV遺伝子の局在とその分離) 感染者精液より80%Percoll撹拌密度勾配法にて精漿を除去、沈渣にswim-up法を施し(以下洗浄-swimup法)で精子のみを分離、この精子浮遊液におけるvirus遺伝子定量を行った。swimup精子をえられた2症例では、原精液に認められたHIV遺伝子(DNA,RNAとも)は精子浮遊液では全く検出されなかった。 3.(精子へのHIV遺伝子取り込みに関する検討) 精子浮遊液にHIVウイルスを添加(最終濃度0.75×10^6/ml)、4時間培養後に洗浄-swimup法にて運動精子のみを回収し、得られた回収精子液のHIV遺伝子を定量した。回収精子浮遊液中のHIV遺伝子量はいずれも検出感度以下(1.0×10^2copy/100μl以下)となり、除去効率は4000分の1以下と考えられた。
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