研究課題/領域番号 |
08671941
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
|
研究機関 | 帝京平成大学 (1998) 帝京女子短期大学 (1996-1997) |
研究代表者 |
大川 とみ 帝京平成大学, 情報学部, 助教授 (30101695)
|
研究期間 (年度) |
1996 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1996年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
|
キーワード | 妊娠 / 出生前ストレス / beta-endorphin / 性ステロイド / SDN-POA / 行動 / ラット / ストレス / 胎仔 / ACTH / オピオイド / 性スラロイド / アロマターゼ |
研究概要 |
本研究では妊娠時の母体に対するストレスに起因するリスクについて、ラットを用い、仔の周生期内分泌環境に及ぼす影響を検討するとともに、生後の仔の脳や構造やストレス反応、行動の性分化に及ぼす影響を検討した。 母体ストレス負荷時、雄仔の血中テストステロンおよび視床下部アロマターゼ活性の低下がみられることが明らかになった。また、血中コルチコステロンの増加、CRHの含量の減少から、母体ストレスに対する胎仔副腎の自律的反応や母体由来コルチコステロンの流入にともなう胎仔視床下部CRHの抑制などが伺えた。 次いで、周生期のエストロゲンに依存してその大きさに性差が発現する視索前野の性二型核を対象に出生前ストレスによる変化を検討した結果、雄の性二型核は出生前ストレスの強さに応じて縮小した。これらの変化は、周生期の血中テストステロンおよび視床下部アロマターゼ活性の低下による結果であると推察された。 さらに、下垂体副腎系のストレス反応に及ぼす出生前ストレスの効果を検討した結果、出生前ストレスを経験した雄ではストレスの強さに応じて下垂体副腎系の反応は雌型に近づき、強い出生前ストレスではこの性差が消失することから、出生前ストレスが生後の性特異性的な下垂体副腎機能の出現に一部寄与する可能性が考えられた。 最後に、行動に及ぼす出生前ストレスの影響をオピオイドブロッカーの阻止効果とともに検討した。出生前ストレスにより、遊戯行動の減少、新規環境適応時の活動性の低下と emotionality の増大、雄性性行動の低下が明らかになった。オピオイドブロッカー前投与は仔の遊戯行動と雄性性行動の抑制を解除し、雄の open field behavior の変化を解除または軽減したことから、出世前ストレスによる行動の偏位に beta-endorphin系が直接あるいは間接的に関与することが伺えた。
|