研究概要 |
我々は、数年来鼻アレルギーとHLA分子との関わりについて検討を加えており、ある種のHLA分子を支配する対立遺伝子頻度が鼻アレルギー患者で有意に高いことを報告している。そこで、我々は、抗原特異的T細胞をクローン化し、そのT細胞がHLA-DR拘束性であり、TCR V gene productの内、Vβ6,Vα8を有意に発現していることを示し、in vitroで特異的抗原刺激に対し、Ag specific IgE Ab産生のみならず、IgGの産生も促すことを明らかにした。更に、鼻アレルギーに於けるIgE抗体産生部位を検証するため、鼻粘膜及び所属リンパ装置に於て、T細胞クローンより明らかとなったT細胞レセプターを持つT細胞の分布を検討し、また、T細胞クローン由来のサイトカインを同定、B細胞上でのその作用点を解析し、抗原特異性をもたらす機構に検討を加えた。具体的には、鼻アレルギー患者及び健常者の鼻粘膜、扁桃組織を採取し、IL-4,IL-6,INF-γを免疫染色法及びinsitu hybridization法により同定した。その詳しい局在については現在検討を加えているところである。 また、減感作療法施行中の鼻アレルギー患者のnaive B細胞をIL-4及び抗CD40抗体と共培養すると経時的にB細胞よりIgE及びIgG4の産生及び分泌が観察された。現在は、Nested PCRを用いて減感作療法の有無によるSμ-Sε switch recombinationのregulationの相違を検討している。
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