研究課題/領域番号 |
08671977
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
佃 守 横浜市立大学, 医学部, 教授 (70142370)
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研究分担者 |
河合 敏 横浜市立大学, 医学部, 助手 (00264656)
持松 いづみ 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (10166332)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1997年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1996年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 頭頸部癌 / 扁平上皮癌 / ATRA / vitamin D3誘導体 / 増殖抑制 / 形態変化 / 偏平上皮癌 / VitD3誘導体 / 分化誘導療法 / DNA合成 |
研究概要 |
頭頸部進行癌の予後は悪く、従来の根治治療である放射線治療、手術に加えて化学、免疫療法を加味しても際だった予後の向上は見られていない。そこで今回、新しい頭頸部進行癌の治療として分化誘導剤に着目し、その増殖抑制効果を検討した。分化誘導剤としてall-trans retinoic acid(ATRA)とVitD3の誘導体である22-Oxo-1、25-dihydroxyvitamin D3(OCT)を中心に行った。また分化誘導作用をもつと考えれる強心剤のvesnarinone、Vit D3誘導体の1α、25(OH)2 D3の生物学的活性についても検討した。用いたのは頭頸部扁平上皮癌細胞でDNA合成抑制を3H-TdR uptake法でみるとvesnarioneは20μg/kg、ATRAは1μMで抑制効果が出現した。またKB細胞以外に1α、25(OH)2 D3とOCTで10-7から10-10Mの濃度で比較したが、いずれの細胞に対してもOCTの方がより強い抑制効果を示した。KB細胞を用いてATRA、OCT処理でのdoubling timeを測定した結果、それぞれの処理によって延長していた。また各処理でのcell cycleの変化を検討し、無処理群と比較するとS期の比率が低下し、G0/G1期の比率が上昇していた。さらにATRA処理と無処理のKB細胞のCDDPと5-fluorouracil(5-FU)感受性を比較したが、5-FUでは差は無いもののCDDPに対する感受性はATRA処理で増幅した。ついでATRA、OCT処理による形態学的変化、Cytokeratin、接着因子のICAM-1、epidermal growth factor receptor(EGFR)発現に対する影響を検索した。形態学的には処理後1週目までは特に変化を認めなかった。しかし処理2週目になるとATRA、OCTで処理した細胞は樹状突起が増加し、細胞が大型化する傾向が認められた。一方、抗サイトケラチン10/13、抗ICAM-1、抗EGFR抗体で見た免疫化学染色では処理1週、2週後では対照群と比較して陽性細胞比率に際だった差は観察されなかった。 現在増殖抑制に及ぼすreceptorの関与と、さらにこうした腫瘍増殖抑制に働く薬剤を用いた的確な臨床での投与方法を検討中である。
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