研究課題/領域番号 |
08671983
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
廣瀬 肇 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (80010031)
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研究分担者 |
小池 三奈子 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (50276177)
平山 方俊 (平山 方敏) 北里大学, 医学部, 講師 (00208860)
小林 範子 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (30195797)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1996年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 食道発声 / 構音運動 / 聴取実験 / エレクトロパラトグラフィ / 摩擦音 / 舌・口蓋接触パタン / 構音動作 / 口腔内圧 / 無喉頭者リハビリテーション |
研究概要 |
習熟度の異なる複数の食道発声症例に単音節を発話させ、その録音サンプルについて聴取実験によって各音節の同定試験を施行した。母音、半母音においてはいずれの例でも高い正答率を示したが、無声破裂音や「ハ」行音では習熟度の高い症例においても比較的正答率が低かった。摩擦音については習熟度の低い症例の正答率がきわめて低い傾向が認められた。健常成人および食道発声者の構音について、エレクトロパラトグラフィの手法を応用して舌・口蓋接触パタンの記録と解析を行った。新たに開発した計算機プログラムによってパラトグラム上で前方から後方に4分割した各分画ごとに接触の時間経過を解析した結果、摩擦音の発話において食道発声者は各分画とも接触率が有意に高いことが明らかになった。とくに「ハ」の発音においては健常人にみられない側方接触が認められた。これらは少ない空気量で有効な摩擦成分を作るための代償機能の現れと解釈された。平成9年度には、個々の症例の解析に先だってその食道発声者が発音した音声サンプルについて、意図した音が正しく表出されているか否かを聴取実験によって厳密に検討し、妥当と判定されたデータについてパラトグラムを作製した。パラトグラム上の所見から、前方から後方に到る各分画において、熟達した食道発声者では、とくに摩擦音、破擦音において側方接触が著明なことが再確認された。子音構音時の口腔内圧を測定したところ、熟達した食道発声者ではとくに無声子音の構音時に健常人の場合より口腔内圧が上昇する傾向が認められ、上述した接触パタンと対比させて考えると、無喉頭状態における有声・無声の弁別を助けるために無声子音の構音に際しては強い接触によて破裂や摩擦を強調することが推論され、この点に着目して発声指導を進めることがリハビリテーション指針として有用であろうと結論した。
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