研究課題/領域番号 |
08671989
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
臼井 信郎 東邦大学, 医学部, 教授 (30057533)
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研究分担者 |
原 俊彰 東邦大学, 医学部, 助手 (80266965)
大木 幹文 東邦大学, 医学部, 講師 (60185212)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 鼻アレルギー / 鼻粘膜血流 / 組織酸素分圧 |
研究概要 |
鼻アレルギーにおいて、鼻閉の改善は最も重要な課題である。鼻閉は鼻粘膜の腫脹収縮といった生理的変動の異常反応によってもたらされるものである。この異常反応は様々なケミカルメディエーターが血行動態に影響を与えた結果と考えられる。そこで今回は鼻粘膜の血流の変化と鼻粘膜の腫脹収縮の関係を検討し、鼻アレルギーにおける血行動態の特徴を探求することとした。 まず正常者と鼻アレルギー患者にレーザードップラー血流計とAcoustic Rhinometryによ鼻粘膜表層血流と鼻腔容積との関係を検討した。血管収縮剤の投与により血流の低下と鼻腔容積の拡大が認められたが、鼻アレルギー患者のダイナミックな鼻腔容積の拡大に較べ表層血流の変化は正常者とあまり変わらず、血流と鼻粘膜の腫脹収縮は一元的に説明できないことが解った。 そこで、さらに深部の血行動態を探る目的で組織酸素分圧モニタリングを用いて、鼻アレルギー陽性および陰性の被験者のα受容体刺激剤とメサコリンを局所噴霧し組織内酸素分圧の変化を記録した。その結果、本法によって鼻粘膜において組織内酸素分圧は安定的かつ経時的測定できることが確認された。α刺激剤では組織内酸素分圧は低下し、メサコリンでは組織内酸素分圧は上昇した。今回の検討ではこの変化に対し、鼻アレルギーの特徴は見出せなかった。 本研究から、鼻粘膜血管の自律神経調節には、α受容体のみならずコリン作動物質の直接作用の存在が考えられた。今後は鼻粘膜における複雑な血管構築と血行動態に関与する様々な物質との関係を明らかにすることが鼻アレルギーの過敏反応の解明に役立つものと考えられた。
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