研究課題/領域番号 |
08671993
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
久保 伸夫 関西医科大学, 医学部, 講師 (70186435)
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研究分担者 |
中村 晶彦 関西医科大学, 医学部, 講師 (90180356)
北尻 雅則 関西医科大学, 医学部, 助教授 (60161478)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1997年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 一酸化窒素 / 血管内皮細胞 / アレルギー性鼻炎 / 慢性副鼻腔炎 / 呼気ガス / 室内汚染 / 窒素酸化物 / 鼻粘膜血管内皮細胞 |
研究概要 |
lwamotoらの方法に準じ、減圧下学発光式NO測定装置、スパイローター、AD変換装置(マックラボ)および小型コンピュータを組み合わせ、呼気ガス中NO時分産生量(V_<NO>)測定システムを作製し、従来の、呼気中濃度による評価に代わり、時分産生量による絶対量評価を用い上下気道中NOガス産生能を検討した。まず喉頭摘出後の無喉頭患者での詳細な検討では、気管口からの呼気中NO産生量は鼻腔の20分の1以下であり、下気道はNOを産生しないか、産生するとしても呼気まで到達できないと思われた。またNO産生が亢進すると報告されている気管支喘息症例では、V_<NO>では正常者と有意差なく、気道閉塞に伴う時分換気量の減少が見かけ上NO濃度を上昇させると思われた。通年性アレルギー性鼻炎症例でもV_<NO>に変化はなく、抗原誘発時にのみ一過性の上昇がみられた。一方、慢性副鼻腔炎および副鼻腔気管支症候群症例ではV_<NO>はあきらかに低下しており、鼻内内視鏡下膜温存手術によって、V_<NO>は回復をしめした。また慢性副鼻腔炎症例で線毛運動機能とV_<NO>はある程度相関した。これらの検討から呼気中NOは気道線毛運動に促進的に作用し、慢性副鼻腔炎や気管支拡張症など線毛運動機能障害を一次的病態とする好中球性気道炎症では、気道中NO濃度の低下が線毛運動機能障害を惹起すると考えられた。これまでのNOS活性の検討からはNO濃度の低下の原因は、NO産生量の減少ではなく、好中球由来の活性酸素によるNOの消去が原因と考えている。該当年度の本研究では気道炎症における活性酸素とNOの関与はアレルギー性炎症ではなく慢性好中球炎症において重要と考えられた。また、ヒト鼻粘膜由来培養血管内皮細胞のNO産生能の検討では、ヒスタミン刺激による還流液中NO濃度の上昇は証明できた。今後はより直接的な検討手段であるNO蛍光色素(DAF2)による光化学的検討を予定している。
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