研究課題/領域番号 |
08672002
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田川 義継 北海道大学, 医学部, 助教授 (40109426)
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研究分担者 |
笹本 洋一 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (40241327)
渡辺 雅彦 北海道大学, 医学部, 助教授 (70210945)
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研究期間 (年度) |
1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1996年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ラット / 網膜 / ミクログリア / サイモシン |
研究概要 |
網膜のミクログリアについて、Wister Kingラットを用いて免疫組織学的に検討した。ミクログリアの同定には、一次抗体として抗サイモシン単クローン抗体を用い、酵素抗体法(ABC法)により免疫染色を行った。その結果、正常ラットの網膜内層に抗サイモシン抗体に強く染色される細胞が分布しているのが観察された。網膜血管との関連性は、特に見られなかった。網膜外層には陽性細胞は見られなかった。陽性細胞は、多数の長い突起を出し樹枝状の形態を示していた。陽性コントロールとして検討したラット脳内のミクログリアと同様の染色結果が得られ、多くがラミファイド型と呼ばれる静止状態のミクログリアの形態であった。網膜の他のグリア細胞であるMuller細胞のマーカーである抗Vimentin抗体と抗サイモシン抗体の二重染色をおこなったが、Muller細胞は抗サイモシン抗体では染色されなかった。以上の結果から、正常ラット網膜に脳と同様に静止状態のミクログリアが存在し、抗サイモシン抗体が細胞の同定に有用であることが明らかとなった。同時に行った他の抗IL-1などのサイトカイン抗体やMHCクラスII抗原の検索では、現在までの所ミクログリアには陽性所見は得られていない。次に、病的網膜におけるミクログリアの動態を知るため、視神経を切断し経時的にミクログリアを観察した。その結果、視神経切断後48〜72時間頃よりミクログリアの増加が観察された。 今年度の研究により、これまで不明な点の多かった網膜内ミクログリア同定のための新しいマーカーが得られた。今後は、病的状態におけるミクログリアの動態と機能についてさらに研究を継続する予定である。
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