研究課題/領域番号 |
08672023
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
北岡 隆 長崎大学, 医学部・附属病院, 講師 (80234235)
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研究分担者 |
津田 恭央 (津田 やす央) 長崎大学, 医学部・附属病院, 助手 (30253660)
大平 明弘 長崎大学, 医学部, 助教授 (00169054)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1996年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 線維芽細胞増殖因子 / 血管内皮増殖因子 / FGF / VEGF / FGF-5 / 加齢性黄斑変性症 / 網膜下新生血管 / 増殖性硝子体網膜症 / 網膜 / 糖尿病網膜症 |
研究概要 |
眼内における増殖性病変には、増殖性硝子体網膜症、加齢性黄斑変性症の網膜下血管膜や、増殖性糖尿病性網膜症などがあり、成人の失明原因のうちでも大きな部分を占めている。これらの病変の発生、進展に、繊維芽細胞増殖因子(FGF)や血管内皮増殖因子(VEGF)が関与している可能性があり、これらの関与を研究することは増殖性病変の治療に大きな寄与が期待される。正常ラットを用いた研究結果は次の通りである。酸性(a)FGFは色素上皮細胞の細胞質、外及び内網状層、神経節細胞層の核に局在が認められた。塩基性(b)FGFは核に存在し、増殖性病変が発生したときに、その進展に関与する可能性が示唆された。特に増殖性病変で重要な役割を演じていると考えられている網膜色素上皮細胞で強く発現しているのが観察された。FGF-5は視細胞の内節に局在が認められた。このことは視細胞外節の更新、維持、及び色素上皮細胞による外節の貪食にFGF-5が関与することを示唆した。増殖性病変において重要な役割を果たしている可能性のある、もうひとつの増殖因子であるVEGFは神経節細胞に発現していた。VEGFは増殖性病変ばかりでなく、正常の神経の機能及び形態維持に重要な役割を果たしている可能性がある。手術中に採取した加齢性黄斑変性症の網膜下増殖血管膜及び増殖性硝子体網膜症の網膜前増殖膜では、いずれの膜にも色素上皮細胞由来と思われる細胞に、aFGFとbFGFが発現していたが、特徴的なことは加齢性黄斑変性症ではFGF-5の発現が新生血管周囲の血管内皮細胞の細胞質に観察されたことであり、網膜下の血管新生にはFGF-5の関与が重要であると推測された。今後増え続けると予測される加齢性黄斑変性症を防ぐためにはさらなる研究が必要であるが、FGF-5に対するモノクローナル抗体なども有用である可能性が考えられた。
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