研究概要 |
1.DRB1^*0405移入メラノーマ細胞株の作成 HLA-DR4 遺伝子のDRB1^*0405をplasmidに組み込み、これをヒト脈絡膜メラノーマ細胞株OCM-1の細胞内に移入し,フローサイトメーターにてDR抗原蛋白を細胞表面に表出している事が確認できた細胞をDRB1^*0405 遺伝子移入細胞株OCM-1DRとした. 2.患者リンパ球のOCM-1DRに対する増殖反応 HLA-DR4 陽性の原田病患者のリンパ球を,治療開始前に比重遠心法にて分離し,DRB1^*0405 遺伝子移入メラノーマ細胞株OCM-1DRと混合培養して,そのチミジン取り込みを検討した.患者群では正常対照に比べ,有意にチミジン取り込が亢進していた.これより,原田病患者はHLA-class II 抗原を表面に提示している自己のメラノサイトが抗原提示細胞として働きそれをリンパ球が認識することによって炎症反応が起こっている事が強く示唆された. 3.原田病の髄液細胞,前房細胞におけるアポトーシス関連蛋白の解析 フローサイトメトリーによってFas抗原,Fas Ligand, Annexinの発現を解析した結果,原田病では発症初期よりアポトーシス関連蛋白の発現は亢進していることより,局所に浸潤している炎症細胞はアポトーシスによって除去されることが解明された.炎症細胞のアポトーシスの異常が炎症の遷延化,再燃に関与している可能性が示唆されたため,今後さらに症例を重ねて解析してゆく予定である
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